[さてさて]
前々週は、昨年大型台風の影響で中止になってしまった「こどもの国の駅伝競走」であった。私自身は、前回の阿蘇で痛めた足首がなかなか完治せず、トレーニングもいまひとつで、ブレーキ的存在であった。しかし、我々ドリームチームは、5年越しの念願の優勝を果たし、その夜は熱狂乱舞の大優勝パーティー、大いに盛り上がった。警察出動や怪我人発生、というおまけまでつくありさまだった。
トレーニングの締めとして、前週の土・日は、ロングランを実施した。特に日曜日の雨中の三崎ランはしんどかった。つきあってくれた仲間には感謝したい。体力面でも精神面でもいい刺激になった。それから、月曜日からはいつもよりハードなカーボローディングに挑戦してみた。月〜水までは絶食に近い状態、水曜の夜から徐々に食を復活させてみたが、効果は?(ハテナ)
今回は、3時スタートということもあり、土曜出発・日曜帰宅というタイトなスケジュールとし、現地の観光は無しとした。
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[いよいよ]
自宅を9時に出発し、郵便局で軍資金を下し駅へ向かった。「なんじゃこりゃ〜!」土曜日のこんな時間に人・人・人でごった返していた。なんと、電車が止まっている、人身事故で、復旧の見込みがないらしい。なんか、以前にもあったな、と思った。そう、数年前のサロマの時だ。振り替え輸送で、上永谷(バス)→戸塚(地下鉄)→東京(JR)経由で到着。予定していた新幹線は当然乗れず、仙台からの乗り継ぎでやっとのことで花巻駅へ到着。現地は、強めの雨が降っていた。当日の天候が気になりつつ、目的の旅館へ。あらかじめ、携帯で電話していたので、旅館の奥さんが、玄関の外で出迎えてくれた。明日も雨らしいと聞き、ちょっとへこんでいたら、ヤクルトを冷蔵庫から出してきて、1本くれた。なんかわからないが、ファイトが出た。
荷物を置いて、受付会場へ、無料シャトルバスで向かった。受付を済ませ、前夜祭会場へ入って、始まるのを待った。回りをきょろきょろと見回したが、黒健らしい風貌は目に入らなかった。後から聞いたが、前日の夜行バスで来て、前夜祭は参加せず、旅館で4時ごろから寝ていたらしい。
前夜祭が始まった。なかなか段取りが悪く、乾杯の前から、みんなビールを飲み始めており、いざ乾杯というときには、コップの中が空だった。タラバ蟹の脚を1本ゲットして食い終わるころには、すしやらなんやらいっぱいあったはずが、あっという間に空になっていた。結局、ビール二杯、ウーロン数杯、蟹の脚1本だけ。量の見積もりが甘すぎだな、と思った。途中、コンビニで食料とビールを買い込んで旅館へ戻った。
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[うとうと]
窓の雨を眺めながら、明日の準備を、だらだらビール飲みながらしていて、途中の着替えポイント(56km地点)への白い袋の中身に苦慮していた。雨であることを考慮に入れると、靴・靴下・Tシャツ・etc、しかし、ゼッケンが前後2枚付け替えが必要なので、NGとした。風呂入って、8時ごろには、床へついた。案の定、寝付けない。外の雨の音が気になる。なんどか、うとうとと浅い眠りから、12時45分に起床。あいかわらず、外は、強い雨だ。1時15分発のシャトルバスでスタート会場へ向かうことにしていたが、バスがあまりにも小さくって10数人しか乗れない。ここでも大会主催者の?が露呈した。なんとか、次のバスに乗って会場へ到着。
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[ごろごろ]
出走チェックを済ませ、体育館でごろごろしていると、黒健が近づいてきた。子供が生まれて、トレーニング量が減っていると言っていたが、それでも、350km/月
以上は走っているらしい。どこが減ったんだ、と言いたい。
黒健も私同様、この雨には気持ちが萎えているようだ。彼は、前回の富士五湖117kmの走りができれば、上位入賞は間違いないだろう、と思った。私は、走り出してから体調と相談しながら、目標設定しようと考えていた。しかし、途中リタイアだけは、避けたいので、前半無理はしない、と心に誓った。
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[おやおや]
スタート15分前の放送がはいり、ビニール袋を上半身にまとって、外へ出ると、不思議なことに、雨がほとんど降っていない。この中に誰か強力な晴れ男がいるに違いない。そのうちまた降り出すだろうが、最初っから降っているか否かは精神的におおきな違いがある。走り出してから降ってきても、気持ちがレースに向かっているので、さほどの影響はないと思う。前から10列目ぐらいに黒健と並んでスタート合図を待っていた。
3:00
スタート。最初は人壁でなかなか前に進めず、フォーミングアップ状態。徐々にばらけてくると、黒健はどんどん前へ、すぐに視界から消えていった。
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[ぱくぱく]
序盤、心なしか登り勾配がずっと続いている。いつもトレッドミルでは、斜度1.5%で走っているので、そのイメージで、時速10.5kmぐらいのスピードを保ちながら走ることにした。こんな感じで走っていると、10km表示を通りすぎたので、時計を見ると、51分台だった。ちょっと早すぎるかも知れないが、無理をしている感じはないので、このままのイメージを保ち続けた。こんな感じを続けていると、どんどん、前に人が現れてくる。つまり、パックマンがモンスターを捕まえるように。俺は、今からパックマンだ。前にいるランナーがモンスターだ。モンスターを食べるとエネルギーがアップする。そういう、ばかなことを考えながら、前から落ちてくるモンスターをパクパクと食いつつ元気になっていく自分がいた。
一方、天候の方は、40km付近までは、なんとか、濡れずにこれたものの、そのあたりから、雨足が強くなってきた。時々止んでは降りの繰り返し。50km過ぎ、まだ自分の身体は、モンスターをたんまり食ったおかげで元気いっぱいだった。もうすぐ着替えポイントだ、前にもう一匹モンスターがいるが、おなかいっぱい、という感じ。追いついて、「もうすぐですね。」というと、「はぁ?」という感じ、休憩ポイントのことだと理解してないらしい。逗子からきた、とのことだったので、先週、逗子をとおって、三崎港まで走ったことを話した。どっこい、彼は、先週、四万十川で8時間45分で走ってきたと、グェ!、こいつモンスターじゃない、スーパーマンだったんだ、食わなくてよかった。
着替えポイントに到着すると、中学生ぐらいの男子が道端に間隔をおいて、立っていて、ゼッケンを大声で前方の次の者に伝言している。いわゆるゼッケン番号の伝言ゲームをやっているわけだ。こんなんで、着替え袋がちゃんと、本人の手元にすぐにわたせるのだろうか?不安的中!結局袋を渡されず、自分で探しだした。しかも、どこで着替えて良いやらわからず、靴と靴下だけを取り替えて、トラックに荷物を渡して再スタートした。なんともお粗末な中継所だ。いままで出たウルトラの中で最低だ。せめて、拡声器ぐらいは使ったらどうか?
ずいぶん無駄な時間を過ごした気がしたが、気分を切り替え、再スタート。なんか、見たことのあるモンスターの後ろ姿が次々と現れだした。そうか、この辺を走ってるモンスターは、着替えポイントに立ち寄らない、ということだったのか。それでわかった。着替えをしているやからは、どこにも見当たらなかったわけである。
一度食ったモンスターらを食いながら根気よく前へ進んでいった。お、スーパーマンが前にいる、足取りは今ひとつで、モンスターに変わり果てている。やはり、二週連続のウルトラで、疲労が溜まっているのだろう。一度挨拶して、食ってやった。
70km過ぎあたりから、持病の右足首の痛みが出てきた。しかし、多少かばいながらの走りになっていたが、上手に走れば、激痛は避けられる。極端なスピードダウンもせず、終盤へ。雨は止む気配もなく、降り続いている。今日、始めて、聞く背後からの足音。快調なリズムで迫っている。パックマン危うし!モンスターに食われる!一気に抜き去られた。一度食ったはずのモンスターの後姿だった。あいつも、パックマン戦法でパワーアップしてきたのか?
あと3km、での係員のチェックポイントで、「トップとの差、1時間。。分、11位」と言わた。トップとの差などどうでもよく、記憶にないが、こんなに上位にいたのかと、驚いた。黒健は、まだ食ってない。っていうことは、やつは、10位以内入賞間違いなしということだ。
雫石陸上競技場へ到着、すばらしい競技場だ、国立競技場顔負けである。もう足首の痛みは感じていない、場内放送の中、全力でグラウンドを2/3周してゴール。9時間5分。。秒、11位。ずぶぬれのゴール、自衛隊の毛布に包まれ、係員数名に囲まれ、万歳万歳の祝福を受けた。照れ笑い##$$、欲を言えば、10位入賞したかったが。
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[ぶるぶる]
けんじワールドに荷物が届いており、そこでお風呂に入れることになっている。送迎バスでそこまで移動することになっており、発車まで、バスの中で毛布に包まって待っていた。10位までのランナーが前のバスで出発したばかりのようで、自分ひとりで、ぶるぶる震えながら、発車を待っていた。1人1人の間隔が大きいためか、なかなか、バスが埋まらない。30分ほど待たされ、けんじワールドへ。現地に到着、ゴール袋は受け取ったが、着替えポイントの袋がまだ到着していないとのこと。お粗末くんだ。先に風呂へ入ろうか、と思って、玄関を入ると黒健が待ち構えていた。「おー」握手をし、順位と時間を聞くと、8時間54分9位とのこと、すばらしい。中間点での着替えはしなかったとのことだ。やはり、お粗末くん状態にはあきれていた。バスの中で10位のランナーと話したらしく、たぶん、俺を抜き去った青年だろう。8時間57分、先週、初フル・サブスリー達成していて、今回初ウルトラ・サブナインだということだ。仰天!
風呂にゆっくりつかった後、ビール・ホタテ・さんま・豚汁などをご賞味しながら、今日のレースの話しに花がさいた。
完走後のビールは旨い。今日のビールは特に旨い。無料なのをいいことに御代わり。。
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[すやすや]
無料バスで盛岡へ出て、盛岡から東京まで新幹線で帰路へ。外は、今頃になって快晴とは皮肉なもんだ。二人とも満足な結果に、寝不足と疲労ですやすやと、寝入っていた。
来年、「えちご・くびきの」を制覇すれば、当初の目標ウルトラが
all clear! game set!
となる。厳しいコースらしいが、満足の完走で締めくくりたいものだ。
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[ぶつぶつ]
この第一回大会は、お世辞にも成功とは言えず、スタッフの準備不足など、課題を沢山残した。評判の大会を見に行って研究してほしいものだ。しかも皮肉なことに雨に見舞われ、途中風もでて、コンデション的にも恵まれなかった。コース的には、さほど厳しいところもなく、記録狙いのランナーには、いいだろう、と思った。
ここは、宮沢賢治のふるさとである。これにちなんだ、けんじワールドなる娯楽施設もあるわけだ。まさに、ランナーもスタッフも、雨にも負けず、風にも負けず........の心境だろう。
雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫な体を持ち
慾はなく 決して瞋らず
いつも静かに笑っている
一日に玄米四合と
味噌と少しの野菜を食べ
あらゆることを
自分を勘定に入れずに
よく見聞きし分かり
そして忘れず
野原の松の林の蔭の
小さな萱ぶきの小屋にいて
東に病気の子供あれば
行って看病してやり
西に疲れた母あれば
行ってその稲の束を負い
南に死にそうな人あれば
行って怖がらなくてもいゝと言い
北に喧嘩や訴訟があれば
つまらないから止めろと言い
一人のときは涙を流し
寒さの夏はオロオロ歩き
みんなにデクノ坊と呼ばれ
褒められもせず
苦にもされず
そういう者に
私はなりたい
[宮沢 賢治]
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