母乳育児に関する資料
〜母乳で育てたいと思っている方へ〜

実は母乳育児支援グループにも所属しているのですが、「おっぱいで育てたい」と漠然と思っていても、いざ生まれてみると母乳に関して知らない事ばかり…という事がとても多いのです。

ここでは出産前後の一番情報の入らない項目に重点を置いて、資料を掲載したいと思います。
初産の方は想像しにくいと思いますが、産後、母乳の事で悩んだら、またここをのぞきに来て下さいね。

マークは管理人ティンパニの個人的コメントです。参考になさって下さい。

赤ちゃんの抱き方

上手に授乳するためにまず必要だったのは、実は「新生児の抱き方」です。
生まれて数分・数時間の赤ちゃんなんて、抱っこした事ない人がほとんどですよね。でも、授乳のための抱き方さえちゃんと知っていれば、授乳の時に乳首が飛び上がるほど痛い!という事は確実に減るそうです。コツは…

           

ありがちなのは、「赤ちゃんの顔だけがおっぱいを向いている」(大人だって、寝たまま首だけ横を向けて、出来たてのマックシェークを飲もうと思ったら、そりゃあ大変ですよね?)「お母さんが赤ちゃんに覆いかぶさる体制になる」。
これは親子共々、とても疲れます。そして乳首が痛くなる原因にもなります。

母乳相談をしている助産院や助産師さんをたずねると、抱き方を丁寧に教えてもらえます。勿論、妊娠中でもOK。
もっと気軽に聞きたければ、近場の母乳育児をサポートしてくれる団体(※1)や母乳育児支援グループの講座などに行くのも良いかもしれません。

 

 

母乳育児成功のための10ヶ条
世界保健機構(WHO)と国際児童基金(ユニセフ)の共同声明

1、母乳育児の方針を全ての医療に関っている人に、常に知らせること。
2、全ての医療従事者に母乳育児をするために必要な知識と技術を教えること。
3、全ての妊婦に母乳育児の良い点とその方法を良く知らせること。
4、母親が分娩後、30分以内に母乳を飲ませられるように援助をすること。
5、母親に授乳の指導を充分にし、もし、赤ちゃんから離れることがあっても、
  母乳の分泌を維持する方法を教えてあげること。
6、医学的な必要がないのに母乳以外のもの、水分、糖水、人工乳を与えないこと。
7、母子同室にすること。赤ちゃんと母親が1日中24時間、一緒にいられるようにすること。
8、赤ちゃんが欲しがるときに、欲しがるままの授乳をすすめること。
9、母乳を飲んでいる赤ちゃんにゴムの乳首やおしゃぶりを与えないこと。
10、母乳育児のための支援のグループを作って援助し、退院する母親に、
  このようなグループを紹介すること。

初産の方が読んでもピンとこないかもしれませんが、この条件の中で特に覚えていて欲しいのは「4〜9」。
母乳育児がスムースに始められる病院の基準になります。

4、母親が分娩後、30分以内に母乳を飲ませられるように援助をすること。 「産まれましたよー。おめでとうございます」と赤ちゃんを見せて(ついでに少し触らせて)、そのまま新生児室へ…なんて事はこれに該当しません。
そして実は、帝王切開の場合でも早くから授乳する事が可能です。お腹の処置をして閉じてすぐから。ただし誰かが完全にサポートしてくれないと出来ません。母親は仰向けのまま動けませんから、助産師さんなどに赤ちゃんをうつぶせの状態で抱いてもらい、乳首を含ませるそうです。
5、母親に授乳の指導を充分にし、もし、赤ちゃんから離れることがあっても、母乳の分泌を維持する方法を教えてあげること。 赤ちゃんの抱き方、おっぱいの含ませ方などを丁寧に指導するのは当たり前ですが、もし医学的理由(小さめ赤ちゃんの場合や黄疸治療など)で、離れる事になるなら、「母乳分泌維持のためのマッサージは?」「3時間おきに搾乳する方がいい?」なども、ちゃんと指導してもらう事が大切です。
6、医学的な必要がないのに母乳以外のもの、水分、糖水、人工乳を与えないこと。 この「医学的な必要」をどう取るのか?病院によってとても違います。
出生後に「体重が減る(減った)から」と言われたら…実は、出生体重から10%位減るのはごく当たり前の事です。(生理的体重減少といいます)出産後、2〜4日頃に減るのが一般的。つまり入院中の体重減少は、母乳以外のものを与える必要が無い場合がほとんどです。
7、母子同室にすること。赤ちゃんと母親が1日中24時間、一緒にいられるようにすること。 「お母さんは疲れているでしょうから、赤ちゃんはこちらでお預かりしますよ」というのは、実は母乳育児には適していません。勿論、母親が「辛くてたまらない」という場合は別でしょうが、一緒に居たいという母親に対してまで一律に「預かります」というのも、個人的にはどうかなと…。
8、赤ちゃんが欲しがるときに、欲しがるままの授乳をすすめること。 以外と多いのは「まだ母乳が余り出てないから、ミルクを足しましょう」という指導。ところが、最初は出なくても「早くから『超』頻繁に吸わせる」事が刺激となり、より早く母乳が出る様になります。
とはいえ、多くの病院ではまだ「赤ちゃんが疲れるからおっぱいは慣れる程度で、ミルクを足してね」「3時間は空けて、赤ちゃんもお母さんも休みましょう」と言われてしまうのが現状。
入院中、医療者に「私は母乳のみで、一切何も足さない!」と宣言するのは、初産のお母さんには難しいかもしれません。「この病院の指導は、母乳向きではないのね」と割り切ってしまうのも、ひとつの方法…。(そう割り切るのも、本当は残念なのですが)
9、母乳を飲んでいる赤ちゃんにゴムの乳首やおしゃぶりを与えないこと。 じゃあ本当に必要があってミルクや糖水を足す場合はどうするの?と思われる方も多いかもしれません。母乳育児を推進する病院では、「ゴム乳首を外した哺乳瓶(瓶から直接飲ませる)」「シリンジ(注射器の本体部分の様なもの)」「小さなスプーンやレンゲ」で飲ませているそうです。
ゴム乳首は簡単に吸えてしまうため、乳頭混乱といって「ラクチンに飲める方が好き」になってしまうからです。

ちなみにオシャブリですが、一部で言われている「鼻呼吸促進」「あごの発達」は根拠がないばかりか、耳管の働きを妨げ、中耳の通気に影響を与えるために、中耳炎になりやすいそうです。(国際認定母乳(ラクテーション)コンサルタントでもある小児科医の先生が、TVで言っていました)
母乳で育てれば鼻呼吸・あごの発達ともに大変よく、中耳炎にもなりにくため一石二鳥(三鳥?)です。

最後に…「こんな事を守ってる病院なんて本当にあるの?」と思われるかもしれません。
でも、実際にこれを実行している病院はいくつもあり、「赤ちゃんにやさしい病院=Baby Friendly Hospital (BFH)」の認定を受けています。
ただ千葉県内にはBFHがないのが現状。
しかし条件のいくつかを満たす産院や、こちらが要望すればある程度柔軟に対応してくれる所もありますので、産院側に相談してみるのも手段かもしれません。
    …でも…
お医者さんに希望を上手に切り出せない。外来と病棟のスタッフが違うので、希望が伝えられているか不安。
そんな方は、「おっぱいお願いカード」を作成してみてはいかがでしょうか。

 おっぱいお願いカードは、ラクティナクラブ(母乳育児支援グループ)のサイトにもあります。
 印刷して利用する事が出来ます。

 

赤ちゃんABC (平成15年1月6日〜読売新聞より)

  読売新聞に掲載されている「赤ちゃんABC」では、出産育児全般に関する記事が掲載されています。
内容は下記の通り。詳しくは「赤ちゃんABC」へ。

授乳      (5)「母乳」「ミルク」…要は与え方(2006.2.6)
         (4)母乳たまると「しこり」に(2006.1.30)
         (3)妊娠中から乳房の手入れ(2006.1.23)
         (2)「欲しがるだけ」与えて(2006.1.16)
         (1)免疫・栄養…初乳は理想的(2006.1.9)
母乳とミルク  (1)泣く度に授乳すれば大丈夫(2003.1.6)
         (2)乳管に詰まった脂肪取り除く(2003.1.13)
         (3)授乳で抱くとき引き寄せて(2003.1.20)
         (4)母乳に良い「和食中心の粗食」(2003.1.27)
         (5)情報交換で心強く(2003.2.3)
         (6)授乳時は笑顔で話しかけて(2003.2.17)
         (7)夜中の授乳 添い寝でもOK(2003.2.24)
         (8)ばらつき多い離乳の時期(2003.3.3)
助産科開設(千葉社会保険病院)

千葉市仁戸名町にある千葉社会保険病院で、 9月1日より助産科が開設される事になりました。
聞きなれない科だと思いますので、少しご説明させてください。

 ◆助産科の仕事
母乳育児相談、母乳っ子健診、離乳食相談、おっぱい健診、断乳・ 卒乳相談、妊婦さんの
安産のための体つくり相談、妊娠中からのおっぱい相談、バースプラン作成補助や相談、
母乳トラブル治療などが行われます。
特にトラブルがなくても、おっぱいのケアを行う事で、美味しいおっぱいを飲ませる事が
できるようお手伝いいたします。
もちろん、リラックスするために来ていただくのも大歓迎です!!
◆基本理念
身体を温め、ご本人さんの治癒力を高める治療を基本理念としています。
自己治癒力を高めるような、オイルマッサージや、足浴などを行います。
 ◆料金
基本的に45分間3500円です。
オイルマッサージ、足湯、おっぱいケアを行います。
ただし、乳腺炎等の病気の場合は医師による診察、病名を診断後、保険適応になり、
保険の料金で支払いが出来ます。
◆開催日程
 月、火、木 9:00〜12:00まで/全日 先着3名まで
◆受診について
 全て予約制です。
 月曜日から金曜日、午前10:00〜16:00までに社会保険病院総合受付 
 043−261−2211で助産科受診の予約をお願いいたします。

皆さまお誘いの上是非お立ち寄りください!
助産婦さんのおっぱいケアってどんなのかしら?とお思いの方、また日ごろ気になる
ちょっとしたおっぱいトラブルがある方もない方もお気軽にどうぞ!!

(千葉社会保険病院 助産科・助産師外来より)

助産師さんの無料電話相談

「ミッドワイフ千葉」無料電話相談/(社)日本助産師会千葉県支部主催
     <受付時間>月〜金・10時〜16時
     <相談内容>妊娠・出産/母乳・育児/家族計画/思春期・更年期相談
  担当をお知らせしますので、メモをご用意の上でおかけ下さい。
  080−5039−4720(代表)

※母乳を含め、育児で悩んだら助産師さんに助けを求めてみましょう。

母乳育児をサポートしてくれる団体 ※1
(各サイトはリンクページに掲載されています)

日本母乳の会 (母乳研究で知られる山内逸郎博士の呼びかけで1992に発足した会)

 “一人でも多くの母子に母乳で育てられる幸せ” をモットーに、多くの母と子を支援し、
 また、その母子を援助する医療者(産科医・小児科医・助産師・看護師・保健師)や
 母親達のために活動しているグループ。
 母乳育児に関する書籍もいろいろと出しています。

ラ・レーチェ・リーグ日本

 “赤ちゃんを母乳で育てたい”お母さんを支援するグループ。
宗教などに関係のない世界的な非営利団体で、情報を提供し、個人的な手助けをするために
母乳育児の集いを開いたり、電話・手紙・電子メールによる相談を受けたりしています。

自らも母乳育児の経験者であるリーダー(アメリカ本部より認定)が、医学諮問委員会で
検討された最新の情報をお伝えしています。
すべてボランティアの母親の手で運営し、WHO、ユニセフとも協力関係にあります。

母乳育児支援ネットワーク

母乳育児中のお母さん、そしてお母さんを支援する人々のために、母乳育児についての様々な情報を
提供するグループ。

最後に…実はミルク(人工栄養)に関しては、こんな国際基準があるのをご存知ですか?

母乳代用品の販売流通に関する国際規準
世界保健機構(WHO)が1981年に採択した基準

 1、消費者一般に対して、母乳代用品の宣伝・広告をしてはいけない。
 2、母親に無料のサンプルを渡してはいけない。
 3、保健所や医療機関を通じて製品を売り込んではならない。これには無料、もしくは低価格の人工乳の
   販売も含まれる。
 4、企業はセールス員を通じて母親に直接売り込んだりしてはならない。
 5、保健・医療従事者は母親に決して製品を手渡してはならない。
 6、赤ちゃんの絵を含めて、製品のラベルには人工哺育を理想化するような言葉あるいは絵を使用してはならない。
 7、保健・医療従事者への情報は科学的で事実に基づくものであるべきである。
 8、人工栄養に関する情報を提供するときは、必ず、母乳育児の利点を説明し、人工栄養のマイナス面、
   有害性を説明しなければならない。
 9、乳児用食品として不適切な製品,例えば加糖練乳を乳児用として販売促進してはならない。
10、母乳代用品の製造業者や流通業者は,その国が国際規準の国内法制を整備していないとしても、
   国際規準を遵守した行動をとるべきである。

母乳代用品=ミルクに関して、実はWHOからこんな基準が出ていたって知っていました?
私は知りませんでした。
だって、産院にはメーカーから来た栄養士さんが「調乳指導」をしてミルクの利点を教えてくれるし、
退院のおみやげにミルクがあるのは普通だと思っていましたし、ミルク缶には可愛らしい赤ちゃんの
         イラストがついているのが当然だと思っていましたから。(日本はこういう部分はかなり緩いらしいです)
        だからといって、私はこの事を目を三角にして怒るつもりはありませんし (病院側にも色々な事情が
     あるのでしょう…きっと)
、 ミルクがあって助けられた、と思っているお母さんも多いと思います。

    ただ、
    「母乳が足りてないから体重の増えが悪いんだ・すぐ泣くんだ」
    「○歳(○ヶ月)になると栄養がなくなる」
         「人に預ける時のためにも、哺乳瓶に慣らした方がいい」
    「他の味にも慣らさないと」…
    などという間違った指導で、お母さんを不安に陥れた上に、
     「だからミルクを足しましょう(切り替えましょう)」と言われた時は、聞き流してしまいましょう。
    人間が人間のお乳で育てるのは、ごく当たり前の事。わざわざ牛のお乳を与えなければ
         いけない理由はありません。
    もし不安なら、ちゃんと母乳に関して正しい知識を持つ医療者に相談すれば、安心できると
         思います。
    (この「正しい知識を持つ医療者」というのがなかなか…。ましてや薬剤師や栄養士には、
            母乳について詳しくない方の方が多いのが残念です。)