定年後に読む資本論
69、資本の商品化―利子生み資本―、九州大深町郁也著、
資本主義がその胎内から生み出した信用制度は、自立した巨大な構築物となって商業や産業の上に大きな力をふるってきました。

信用制度を抜きにしては到底資本主義の今日の姿を考えることは出来ません。信用制度の中枢をなしているのは銀行業ですが、さらにそれは証券市場を確立・発展させ、株式会社という企業形態をつくりだしました。

産業資本や商業資本では、資本は所有者のもとで貨幣や商品などの形態をとったり、脱ぎ捨てたりしながら自己増殖の運動をしてきました。これまで取引場に出てくる貨幣は、商品流通の媒介者でした。貨幣それ自体が取引きの対象になったことはありませんでした。いまや貨幣がそういう取扱いをうけます。貨幣が商品として取引きの対象になるという新しい事態のうちに、貨幣がこれまでと違った規定をあたえられることが含蓄されています。貨幣が独特な種類の商品となることが分析されます。

利子がそういう意味で価格ということになります。利子を資本の価値あるいは価格とよぶのは金融市場の常套語です。

資本家は利潤を高めるため、生産過程で剰余価値の取得に努めますが、それだけではなく、さらに資本の循環、回転を早めようとします。資本の流通に要する時間を短縮すれば、そうした効果をあげることが出来ます。そこで自分の資本の循環が商品の価格実現で完了するより先に、他の資本家からの商品―原料―などを掛け買いするという商業信用を取り結ぶのです。

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