定年後に読む資本論
66、マルクスの経済表―再生産表式―、一ツ橋大高須賀義博著
マルクスの再生産表式論は天才的試みとして評価されてきた。再生産表式論は、経済の総過程に関する現象を解明する場合の基礎理論である。

表式では、先ず社会的総資本を2大グループ、すなわち、生産手段生産部門と消費手段生産部門に分割する。この2部門分割は、総生産物をその使用目的にしたがって、分割したもので、再生産構造を明らかにするためには、マルクスの2部門分割が最小限必要です。

この表式の各項目が、一方では供給要因であると同時に、他方では需要要因である点に着目して、全体として需要と供給が一致する条件を求めれば、再生産の均衡条件を求めることになる。

マルクスの再生産表式は、古典経済学では自明のものとされていた、アダムスミスのドグマの誤りを決定的に暴露した。それは社会の総生産物はすべて賃金、利潤、地代という所得範疇に分解してしまう、つまり商品の交換はすべて所得と所得の交換であるという理論です。

マルクスの再生産表式論は、社会的総資本の運動、つまりマクロ経済学の基礎理論を提供した。

恐慌論、帝国主義論、ひいては資本主義崩壊論を、再生産表式論を基礎にしその展開として構築しようとする試みは、マルクス経済学の中で根強く定着した傾向ですが、今のところまだ「百家争鳴」をいうところです。

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