定年後に読む資本論
65、運動体としての資本―資本の循環と回転―一ツ橋大高須賀義博著
マルクスは、資本をさまざまな形態を変えながら価値増殖する価値の運動体であると把握した。Gは貨幣形態での投下総資本。WはGが生産手段と労働力の形態に転化したもの。Pは生産工程。

マルクスは、資本循環の連続過程を3つの視点にわけて、重層的に分析した。第1はGから始って、G‘に終る循環であり、これを結んだ循環範式が貨幣資本の循環範式である。

第2は資本運動の連続的過程の中で継続する2つの生産過程を結ぶ循環で生産資本の循環範式である。第3は、ある期の生産の結果=商品資本と次期の生産の結果=商品資本を結んだ循環で、この範式を商品資本の循環範式といいます。

以上3つの価値増殖をつづける価値の運動体の運動過程は、相互に各循環が他を含んでいます。この循環範式の具体的成立の姿態の分析は、資本論第3部にて行なわれている。

資本の運動、およびその全体が形成する資本主義経済の本質の理解にとっては、資本の運動を3範式で示される3様の分析視角をもって複眼的に把握することが重要です。

経済学の歴史では、いずれか一つを重視する傾向が強く、貿易差額で貨幣を獲得することが国富を増大させると重金主義、重商主義の過ちもありました。

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