定年後に読む資本論
64、収奪者の収奪―資本主義的蓄積の歴史的傾向―専修大望月清司著
小経営=小所有者的生産様式には、類的能力、労働の社会的生産力を発展させるという生産様式は望めない。自分が所有する生産手段を用いての労働者の自己労働は、自由な個体性の保証というポジティブな側面と、集団的労働の排除という没社会的偏狭性というネガティブな側面との矛盾の上に成りたっている。

ある発展段階に達すると、一方に他人労働の搾取に立脚する大所有と、他方に自分の生産手段を手離さざるをえない、最後には自分の労働能力という財産しか無くなった無所有の分裂を生じさせていく。

資本家による自営的労働者たちの収奪がひとわたり済んだあと、何が次に始まるでしょうか。資本家同志の骨肉のあいはむ烈しい競争です。少数の強力な資本家による多数の弱小な資本家の収奪、資本の集中を通じて資本の独占に進みます。

しかし資本独占の進行は、労働者階級の反逆の増大と不可分です。資本独占は、そのもとで開花した生産様式の桎梏となる。諸生産手段の集中と労働の社会化とは、それらの資本主義的外皮と調和出来なくなる点に到達する。この外被は爆破される。

資本主義的な私的所有の最後の鐘が鳴る。収奪者たちが収奪される。収奪者の収奪は、市民社会の高次復権であり、その物質的諸条件を整えた資本主義的時代は、それゆえに人間的な社会の前史の終りといえるのです。

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