定年後に読む資本論
62、資本主義の「人口法則」―産業予備軍―、慶応大井村喜代子著
マルサスの人口論。人口の増加は幾何級数的であるのに対して、食物は算術級数的にしか増加しない。従って過剰人口、貧困、悪徳が必然化すると主張。

マルクスは、マルサスの絶対的過剰人口論を徹底的に批判し、資本主義における過剰人口や貧困があくまでも資本主義固有の法則によって生ずるものであることを明らかにした。

マルクスが注目したのは、資本蓄積過程における資本の有機的構成の高度化でした。

生産力の発展は、技術的構成の高度化を伴う。これに対応して資本の有機的構成の高度化もすすむ。労働力購入に投下する可変資本部分の相対的減少、有機的構成の高度化によってますます不用になっていく労働者は、投下資本総量の増大によって吸引されていかない限り、過剰人口となる。

有機的構成の高度化による労働者の過剰化は必ず現実化し、労働者の一部は過剰人口となる。この相対的過剰人口(産業予備軍)は、より劣悪な労働条件でも就業しようとして就業中の現役労働者を圧迫し、かれらの資本のもとへの従属を強め、労働条件を悪化させる役割をはたします。

マルクスは、相対的過剰人口論に先立って、資本主義の発展が就業労働者の種々の「労働苦」の増大、剰余価値の増大をもたらしていくこと、資本蓄積は他人の労働の支配に基いて他人の労働支配を一層拡大していく関係であることを明らかにしました。これらの基礎の上に、資本蓄積、生産力発展の過程が、相対的過剰人口を生み出し、彼らの生活手段を奪っていくとともに、機械制大工業における資本の支配、労働者の労働苦を倍加していくことを明らかにした。

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