定年後に読む資本論
59、資本主義と生産力―相対的剰余価値、慶応大井村喜代子著、
資本主義的生産は労働生産力を飛躍的に発展させていく内的傾向をもち、この生産力の発展過程において資本主義的生産固有の諸矛盾が展開していく。それゆえマルクスは資本主義的生産の分析において、問題を生産力の発展との関連でとらえた。

最大限の剰余価値を取得しようという諸資本間の競争―具体的には特別剰余価値をめぐる諸資本間の競争により優秀な生産方法の導入を促進・強制し生産力の発展を必然化します。

平均的水準よりもより優秀な生産諸条件のもとで、より少ない労働でもって生産する資本家は、商品価値=社会的価値とそれを下回る個別価値との差額を特別剰余価値として取得することが出来ます。この特別剰余価値の取得こそは、資本家が出来るだけ優秀な新生産方法をほかに先んじて導入して、生産力を平均水準以上に高めようとする競争起動力に外なりません。

生産力発展の一般化は商品価値自体の低落をもたらし、特別剰余価値を消滅させますが、特別剰余価値に対する要求はさらにいっそう優秀な生産方法を導入するよう資本家を駆り立てますから生産力の発展、社会的必要労働の減少、商品価値の低落が急速に進展していくのです。

あらゆる資本家が相対的剰余価値増大という利得を獲得しようとします。

生産力の発展は、多様な形で剰余価値の増大をうながします。生産力の発展は機械制大工業において本格的な展開をとげますが、機械制大工業は、生産力の飛躍的発展による労働者の労働軽減の可能性を豊富にもっているにもかかわらず、資本主義においてはそれと反対に、労働者支配の完成、婦女子、未成年の労働力化とそれによる男子とくに旧熟練労働者の駆逐、労働時間の延長、深夜業、労働強化の増大などを通じて剰余価値の増大を図ります。

生産力の発展の成果が歪められ、もっぱら剰余価値の増大として資本家によって一人占めされていく関係・矛盾が支配している。

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