定年後に読む資本論
58、労働日の限界をめぐる闘争、大阪市大 佐藤金三郎 教授
労働日は必要労働時間と剰余労働時間からなる。剰余労働はどんな社会形態のもとでも存在する。剰余労働は社会の存続と発展の条件である。いつの時代でも、この剰余労働の生産物が支配階級の物質的基礎を形成している。剰余労働の搾取はすべての階級社会の共通の事柄であった。いろいろな階級社会を区別するのは、剰余労働の搾取がおこなわれる形態の違いだけである。

資本主義社会では労働者に対する強制は原則としてはない。賃金は労働力の使用が行われた後に支払われる。だから賃金が必要労働部分だけでなく、剰余労働部分をも含む労働日全体に対する支払いとして現れ、剰余労働部分が見えなくなる。

労働日の延長によって生産される剰余価値を絶対的剰余価値という。労働日の長さが問題とされる。絶対的剰余価値を増大させるためには、労働日を出来るだけ延長する。労働日の標準化は、労働日の限界をめぐる資本家と労働者の闘争として現れる。

イギリスの多年にわたる闘争の結果、1833年工場法をかちとり、標準労働日が始った。1847年にはチャーチスト運動をとおして、未成年者と婦人労働は10時間に制限された。さらに1866年マルクスの率いる国際労働者協会は8時間労働日を要求決議した。

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