定年後の資本論
資本論物語55、二重の自由―労働力の商品化―佐藤金三郎著(大阪市大)
資本主義下での労働者は2重の意味で自由を持つ。1つは、自由な人格=奴隷ではない。2つめは生産手段からの自由=飢えの自由。勿論2つめの生産手段を持たないことは、生きる為には、飢えを遁れる為には、自分の労働力を売らない限り生きていけないギリギリの立場を鮮明に印象づけるために使用した皮肉の意味である。

引き合いに出されるのは、飢えからの自由がなかった奴隷、かれは自分の所有者である奴隷私有者のいうがままであったが、同時に生命の責任は奴隷私有者にあったことが、改めて明記される。

商品としての労働力は、使用価値と価値を持つ。労働力の使用価値とは、労働者の生きている身体の中にある能力としてだけ存在する。

労働力の使用価値そのものが同時に価値の源泉である。労働力の使用価値は、労働力の消費過程で、はじめて現れる。労働力の消費は労働そのものであり、したがって価値を創造する実体でもある。

肝心なことは、労働力と労働を区別すること。労働者が資本家に売るのは労働力であって、その使用である労働ではない。労働は商品ではなく、価値をもつことも出来ない。

価値をつくる労働と、価値を持つということ=労働力とは別である。

労働力の価値は、労働力生産に必要な労働時間によって規定される。それは、労働者の生活費、次世代労働者の育成費、技能修得費である。

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