定年後の読書ノート
41、唯物史観の公式―経済学批判―専修大望月清司著、有斐閣資本論物語
経済学批判序説には、3つの公式が明記されている。

「土台と上部構造」の唯物論的社会観。「生産力と生産関係」の経済的動学理論。そして3つめが発展段階説の世界史把握の視座。

「土台と上部構造」の唯物論的社会観。

土台=生産関係総体を基礎で支えているのは、「生産諸力」であり、またこの「土台」に対応して「一定の社会意識形態」がある。社会的存在とそれに規定された意識。人間存在じたいが歴史のある段階で組まれた経済的な相互関係の産物である。上部構造は土台に反作用を与える。

「生産力と生産関係」の経済的動学理論。

生産諸力とは人間がこの自然に働きかけを営むさいの諸契機、諸形態を表し、生産諸関係とはそこで編成される人間相互の集団的関係をあらわす概念。問題はこの「生産関係」の意味を「どの階級が生産手段を所有しているか」という見地から階級的支配=服従関係を解釈しうるかどうか。生産諸力がある段階まで発展すると、生産諸関係と矛盾するようになり、生産関係は生産力のそれ以上の発展を阻止するくびきに転化する。むろん小さな矛盾(恐慌など)は生産関係の内部調整で解消されますが、それが不可能なときは、土台全体が半身不随になり、社会革命の時代がやってきます。

発展段階説の世界史把握の視座

おおづかみ言って、経済社会構成のプログレッシブな諸時代として、アジア的・古典古代的・封建的・近代市民的な諸生産様式を、段階場に連続的発展を重ねる。そして近代市民的社会構成をもって「人間的社会の前史が終る」という含蓄深い命題で締めくくられている。「前史の終り」をつとめるのは、そこでの生産諸力が社会的敵対を最終的に解決するからである。この生産力の構造をプロレタリアートがいかに受け継ぐかが、つぎの社会をどれほど人間的に、しかもゲゼルシャフト的に組織出来るかの鍵だとマルクスは語っている。

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