定年後に読む資本論
自由な時間を求めてー経済学批判要綱5、専修大望月清司著、有斐閣
資本主義社会に生きる人間は、人類史のどの位置にあるのかというマルクスの強烈な歴史認識が常にある。第3段階としてたどりつくべき自由な個体制段階は、第2段階で普遍的に展開した物象的依存関係を自由な諸個人が共同で(ゲマインシャフト的に)統御するという未来社会像である。ゲマインシャフト的生産の場では、成員全体の労働時間を計画的に配分し、かつ人間的に配分しなければならない。直接の物質的要求を充たすだけの時間は少なくしなければならない。生産力を伸ばし、必要労働時間を少なくしていく、人間解放の歴史認識です。

資本の1回転とは、生産時間プラス流通時間とも言い表せますが、流通時間は剰余価値を実現しませんので、極力否定されます。生産時間は相対的剰余価値の増大であり、機械装置の導入です。機械は労働者を生きた付属物にしますが、他方では労働者を直接的労働から解放します。労働時間ではなく、自由処分時間が労働者の真の冨であることが明らかになってきます。

自由時間と労働時間の対立を止揚し、自由時間を人間のゲゼルシャフト的な個性の伸長のために、科学と芸術と体育としての労働に費やすことを可能とします。

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