定年後に読む資本論
世界史の中の資本主義―経済学批判要綱、専修大望月清司著、有斐閣
経済学批判要綱が執筆された1857年はイギリス資本主義が世界恐慌で大きく揺らいだ年でした。植民地政策への赤信号、アメリカ南部綿花と北部産業資本との対立、ロシア農奴解放令等近代化の歩みが始まりました。人類史を人格的依存関係から物象的依存関係そして自由な個体性の史論が意味を持ってきます。人格的依存関係とは共同体を結びつけているのは個性、物象的依存関係とは人間は人格では結びつかず、唯一の襟帯は商品・貨幣です。その第1段階は本源的共同体、第2段階は市民社会です。第3段階では個人の自覚的コントロール、自由な個体性の満面開花の段階。

剰余価値は他人労働の成果で、他人労働を搾取して得た結果である。本源的非剰余資本をかりに資本家がかせいだとして、最初の労働者を何処に発見するか。

共同体所有と個人的私的所有の関係、都市と農村の対立。アジアでは成員は共同体に埋没、剰余は上部共同体に吸収。高い生産力を持ったゲルマン的共同体は農村から都市を生み、都市と農村の分業を発生させる。

本源的所有の暴力的解体がアジアでは奴隷制を生み、ゲルマンでは農奴制を生んだ。資本主義的所有もまた可能的資本家の勤労や節約からではなく、労働者がみずから所有する生産手段を暴力的に奪い、分離のあとで再結合することからしかスタートし得ない。

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