定年後に読む資本論
28資本とは?賃金とは?―賃労働と資本、関西大重田晃一著、有斐閣
1848年新ライン新聞に「賃労働と資本」連載。マルクスはここで経済理論の基礎を平易に解説。「賃労働と資本」は「賃金、価格、利潤」と共に、最良の入門書。マルクスは「経済学・哲学草稿」で自己の基礎視座を確定し、「哲学の貧困」では労働価値論を進めていたが、体系的展開をとげるところまでには至っていませんでした。そうした2書に対し、この「賃労働と資本」は理論の体系的展開に入っています。

先ず賃金の大きさを体系的に把握します。労働の商品化から生産費への考え方、ある商品の生産に必要な労働時間によって決められるという「哲学の貧困」以来の立場。賃金の最低限は、労働者の生存費と繁殖費の合計。こうして歴史的で、批判的な賃労働の立体的な把握。

資本とは機械、原料などの生産手段と生活資料からなり、その本質は蓄積された労働である。これらは使用価値とともに交換価値を持ち、この交換価値の不断の自己増殖運動こそ、資本の資本たる所以である。資本とはたんなる蓄積労働もしくは生産手段ではなく、賃労働制に基く特定の生産関係がこれらの物に付与する社会的属性である

蓄積労働が資本に転化されると、労働過程の主客関係が転倒して、労働主体=人間が価値増殖の手段として生産手段という物に従属させられ、過去の死んだ労働(=資本)が生きた直接の労働を絶えず支配するという逆立ちした関係が生まれる。

賃労働と資本は、相互にお互いを前提にしあう、同じ一つの関係の2つの側面である。

この本には、後の資本論で展開される資本蓄積論の議論がすでに議論はじめられています・

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