定年後に読む資本論
27恐慌と革命の経済学―共産党宣言、関西大重田晃一著、有斐閣
共産党宣言は、全4章から成立っている。@国際共産主義運動の理論的根拠とプロレタリア革命の必然制、A共産主義の一般的原理と実現のために取るべき諸方策、B諸種の急進主義思想の批判、Cヨーロッパ革命の戦略と戦術。

全編を流れる史的唯物論の生き生きとした著述。先ず恐慌把握。資本主義経済の客観的分析と労働疎外論との内面的結合。

生産力と生産諸関係の矛盾と止揚の論理が歴史の原動力をなすとする。この矛盾は生産手段の所有・非所有の関係を媒介に階級対立の形で現れる。宣言では「これまでのすべての社会の歴史は階級闘争の歴史である。」という命題で、階級対立を明確にしています。資本主義は、疎外された人間関係を通じて、人間の社会的結合を合理化し、世界市場の形成を通し、後進国の先進国への依存を起したと明言します。

しかし今や資本主義は自己の生み出した生産諸力を統御出来なくなって、過剰生産恐慌を生み出し体制的危機を生み出すに至った。この矛盾を自己の手で止揚するプロレタリアートが成熟をとげていく。労働者階級は自らの労働の商品的性格が自己疎外に結びついていることを自覚し、連合による革命的団結へと視点を一歩づつ高めていく。革命の直接の目的は国家権力の把握による私的所有の廃止です。

私的所有の廃止とは、資本から階級的性格を剥ぎ取って、これを協同体的な、社会の全構成員に所属させること。こうして始めて生産力と生産諸関係の矛盾は止揚される。生きた労働が、過去の蓄積された労働に仕えるという賃労働の転倒性(労働の自己疎外)がも同時に止揚される。

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