定年後に読む資本論
23史的唯物論の確立―ドイツ・イデオロギー、関西大重田晃一著、有斐閣
哲学的意識の原型をドイツ・イデオロギーではこうまとめます。@意識とは現実の意識であるのに、それをこの現実の経験的諸関係から切り離して、意識一般、理念などの抽象的概念に加工する。Aこれらの抽象的概念を自立化させ、これを独立の実体に転化する。B個々の意識、思想などをこの実体としての意識一般、理念の自己規定として展開し、それによって人間の歴史をもろもろの思想や理念の支配のイデオロギーに解消する。

こうして青年ヘーゲル派の諸思想のイデオロギー的転倒を批判的に暴露します。

対象的現実の実践的変革を必然的に要請する実践的唯物論とは何か、唯物論的歴史把握こそ、史的唯物論です。

  1. 歴史の現実的土台としての市民社会―物質的生産と物質的交通を発展させる人間たち
  2. 生産諸力と交通形態との矛盾と止揚の論理にしたがって運動。市民社会発展の成立過程
  3. 生産力の敵対的力に転化。私的所有の廃止を通じて生産力総体を支配下に置く

11項目からなるフォイエルバッハのテーゼではフォイエルバッハの人間把握の非歴史的抽象性が批判される。人間の歴史の全過程を、人間の自己疎外過程として捉えるフォイエルバッハの思想も、歴史を思想や理念の支配史に解消するドイツ・イデオロギーの範疇に入る。

そして最後に象徴的言葉で結んでいます。

哲学者達は世界を様々に解釈してきただけである。しかし肝心なのは、世界を変えることである。

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