定年後に読む資本論
9マルクスと詩人たちーハイネとの交友、一橋大宮野悦義著、有斐閣
詩人ハイネが芸術時代の終りと称した当時のドイツの状況は、中世志向型のロマン派はもとより、現実を拒否して芸術という仮象世界を構築したドイツ古典主義も終り、新しい時代は新しい芸術を生むに違いないという期待の中にあった。

しかしボン大学時代、手当たり次第に当時の文学作品を読んでいたマルクスは、時代と文学の間のずれを実感し、内なる文学的情熱と、時代意識との大きなずれに、マルクス自身不調和を痛感しマルクス自身の文学的方法は断念し、新しい時代の、新しい文学への道を求め続けるハイネを、マルクスは深い理解を示し、夫婦でハイネとの交友を深めた。

ハイネは、マルクスが理論的・実践的に取り組もうとする諸問題を、詩人の鋭い直感で、文学的に先取りをしていく。

1845年、パリを追われたマルクスは、ハイネに熱烈な惜別の手紙を送っている。

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