定年後の読書ノート
西域をゆく、井上 靖、司馬 遼太郎 著、文春文庫
この本の表紙の装画は平山郁夫の「流砂の道」150号の一部である。実はこの「流砂の道」は毎週この絵の前にたって、新たな感動を頂いている。この実物は現在愛知県知多郡阿久比町の生涯センターエスペランスロビーに飾られている。阿久比JAが3000万円で購入したそうだ。毎週義母の介護に出かけ、この絵の前に立つ。シルクロードの感動がひしひしと胸に迫ってくる。

井上靖と司馬遼太郎は1975年、日本作家代表団として、文化大革命末期の中国を訪問した。井上靖氏の西域への思い入れは京都大学学生時代に溯る。小説「敦煌」は1959年の作品だが、資料とロマンのみから生まれ、作品完成後井上氏は敦煌を訪問している。

司馬遼太郎は外語大時代からアジア少数民族への関心は高い。今回中国新疆ウイグル自治区を訪問するのは、2人にとって作家人生の最後の到達点に達したことを意味している。

シルクロードの歴史は興味が尽きないが、地域の自然環境も想像を絶する、すごさを秘している。

この本を書いた多くの人達はもうこの世にはいない。しかし、シルクロードに秘したこの情熱はひしひしと私の胸に伝わってくる。

かって飛行機から見た天山山脈の姿は、この本の中にも何度も登場する。飛行機から見たタクラマカン砂漠の中央に延びた1本の道、周囲は緑も家もなく、道だけが無人の砂漠に1本どこまでもつながっている。懐かしい風景である。シルクロードは我が生涯永遠の憧れである。

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