定年後の読書ノート
帝国主義論・再読(4)、レーニン著、宇高基輔訳、岩波文庫
「第8章」 寄生性と資本主義の腐朽化

帝国主義の経済的基礎は独占である。独占は不可避的に停滞と腐朽化を生み出す。帝国主義は金利生活者を増加させる。資本輸出は、生産から離脱を進め、寄生性を増す。世界はひとにぎりの高利貸し国家と多数の債務者国家に分裂する。帝国主義はプロレタリアートの上層を買収する経済的可能性を創り出し、これによって日和見主義を培養し、形成し、強固にする。世界の分割は徹底的におこなわれた。日和見主義は、幾多の国で、終局的に成熟し、爛熟し、ついに腐敗してしまって、社会排外主義として、ブルジョア政治とすっかり融合しあっている。

「第9章」 帝国主義の批判

帝国主義の美化、これが現代の象徴である。帝国主義的イデオロギーは労働者階級の中へも染込んでいる。本質的なものから人々の注意をそらせることに骨を折っている。カウッキーにのこされているのは、改良主義的なあどけない願望だけである。曰く「拡張への資本の努力は帝国主義の暴力的方法によってではなく、平和的民主主義によって、もっともよく促進される。」と。これは改良主義的欺瞞だ。しかし金融資本と独占は、自由への熱望ではなく、支配への熱望をいたるところに持ち込んで、民族的抑圧と併合への熱望、民族的独立の破壊への熱望もまた激化する。アメリカのフィリッピン侵略を糾弾する日本人に、人々は何を見るか。彼が朝鮮併合に反対して立ち上がるならば、人々は彼の誠意を信ずるだろう。

「第10章」 帝国主義の歴史的地位

帝国主義は独占資本主義である。自由競争の中から成長する独占は、資本主義からより高度な社会=経済制度への過渡である。@独占は生産の集積から発生した。A原料資源の独占的支配は、大資本の権力を恐ろしく増大させた。B独占は銀行から発生した。銀行は金融資本の独占者に転化した。金融寡頭制が独占のあざやかな姿である。C独占は植民政策かr発生した。世界の分割と再分割の尖鋭な闘争の時代が到来した。資本主義の発展は不均衡である。きわめて大きな政治的差異も帝国主義の時代には甚だしく滅殺される。労働者の買収により、労働者の対立が行われる。帝国主義と日和見主義の結びつきがくりかえされる。

付録 バーゼルにおける国際社会党臨時大会の宣言

帝国主労働者は戦争勃発防止に全力をつくすこと。戦争勃発の場合は、危機を国民をゆりおこすために利用し、資本主義的階級支配の排除促進につとめること。重要な任務を持つのはドイツ・フランス・イギリスの労働者階級である。自国政府にむかって、世界戦争に反対することを要求せよ。プロレタリアートは、人類未来の担い手である。

解説

レーニンは本書を第1次世界大戦中に書いた。彼は20冊のノートを基礎に本書を書いた。ツアーリズム検閲を考慮して、社会主義という言葉すら「より高度な社会=経済制度」という表現を用いた。レーニンは徹底的に批判をあたえる前に、彼らの全文献を注意深く研究している。レーニンは「帝国主義論」の中で資本論を継承し、発展させた。レーニンは不均等性の法則によって、一国社会主義の可能性を結論づけた。

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