定年後の読書ノート
帝国主義論・再読(3)、レーニン著、宇高基輔訳、岩波文庫
「第5章」 資本家団体のあいだでの世界の分割

資本家は生産を自分の手におさめることによって、国内市場を相互の間で分割する。国内市場は国外市場にむすびついている。資本輸出が増加し、事態はおのずから国債カルテルの形成に至る。これは資本と凄惨の世界的集積であり、高い段階である。集積に大きな影響を与えるのは、恐慌である。工業と癒着していた銀行は、恐慌の時期に、小企業の没落と大企業の併合を促進する。世界の分割は、発展の不均等性や戦争や破産などの結果、再分割を進める。金融資本の時代には、私的独占と国家独占がひとつにからみあう。国債カルテルが資本主義のもとで平和を期待するのは実践的には詭弁である。闘争の本質は、諸階級が存在する限り、まったく変化いえない。資本家は、資本に応じて世界を分割する。世界の領土的分割、植民地の為の闘争、経済的領土の為の闘争を土台として、一定の関係が成立する。

「第6章」 列強のあいだでの世界の分割

世界は分割されつくした。だから、今後きたるべきものは、再分割だけである。我々は世界的植民政策という独特の時代に生きている。世界の領土的分割が激化している。独占資本主義の段階への、金融資本への、資本主義の移行が、世界の分割の為の闘争の激化と結びついている。帝国主義的政策を公然と遂行したセシル・ローズ。「帝国とは胃の腑の問題である。労働者よ、お前達が内乱を欲しないなら、お前達は帝国主義者にならねばならない。」若々しく異常な速度で進歩するアメリカ・ドイツ・日本。進歩が緩慢になったフランスとイギリス。遅れたロシア。金融資本は決定的勢力であるから、完全な政治的独立を享有している国々さえ隷属させることができる。資本主義が高度になればなるほど、植民地獲得は死にものぐるいとなる。自由市場は過去のものとなり、独占が自由市場を狭めている。資本輸出の利益もまた植民地の征服を促す。金融資本の基礎のうえに成長する経済外的な上部構造、すなわち金融資本の政治やイデオロギーは、植民地征服の熱望をつよめる。

「第7章」 資本主義の特殊な段階としての帝国主義

資本主義の基本的属性=自由競争がその対立物=独占に転化しはじめた時、資本主義からより高度な社会・経済制度への過渡時代の諸特徴があらわれ、帝国主義となった。帝国主義とは資本主義の独占的段階である。その特徴とは、生産と資本の集積、銀行資本と産業資本の融合と金融資本を土台とする金融寡頭制の成立、資本輸出、世界分割である。カウッキーの定義は何の役にもたたない。それは一面的である。超帝国主義では闘争ではなく合同の段階であり資本主義のもとで戦争の廃止は可能と説く。帝国主義の不均衡を除去する為に、戦争以外どのような手段がありうるだろうか。

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