印象に残ったテレビ

1週間de資本論       NHK教育テレビ    2010/9/279/30 25分*4日

「死ぬまでに1度は資本論を読んでみたい」。多くの知識人はそう願っている。しかし、その願いは多くの場合叶えられずに短い一生を終わる。余りにも、資本論は難しく、簡単には読破出来ない。しかし、社会主義ソ連崩壊、資本主義一人勝ちと言われた時代もあったが、2008年リーマンショック以降、資本論再読のムードは全世界的に高まっている。

今回、NHKは「1週間de資本論」と題し、25分間番組全4回を放映した。これは本当に素晴らしい企画だった。アナウンサー堀場正明と神奈川大学教授経済学思想史専攻の的場昭弘氏の15分足らずの対談を中心に、第1回は森永拓郎氏、第2回は湯浅誠氏、第3回は浜矩子氏との10分間の対談あり。

放送内容は、資本論の最入門、数行の重要箇所を紹介して、資本論に何が書かれているか、資本論の雰囲気を紹介してくれる。短い時間ではあるが、良くまとまっている番組だ。対談中 浜先生曰く、「資本論は英語で読んだ方が判り易い」これは名句だ。的場先生目下翻訳中のフランス人ジャック・アタリ氏の「世界国家論」は出版されたら是非読んでみたい。

第4回目出演の田中直毅は、反共俗流経済学者。小泉政権下、新自由主義の旗を振りかざし、弱肉強食の格差社会を竹中平蔵と共に作りあげ、郵政民営化を始め、今日の非正規社員雇用を一般化する不平等社会を作りあげ、富める者を更に豊かにし、貧しい者を更に追詰めた新自由主義者田中直毅。直毅曰く、資本主義の記述ならアダムスミスもいるではないかと。マルクスは収奪や奪還など、不穏な単語を並べて、人々を煽動するだけだと。どうしてこんな、言い古された反共俗流経済論を振り廻す男をこんな貴重な番組に出演させたのか。一宮の機屋主人である直毅の父親から、息子自慢の話は何度も聞かされたが、直毅に資本論を語る資格なんてない。新自由主義者の目指す社会とは、貧富格差拡大の富める者だけが甘い汁を吸い続ける社会でははないのか

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