BS ドキュメント  文化大革命 40年目の証言   MHKBS 730放映

1966年夏をピークとする中国文化大革命。そこには様々な人間模様があり、その多くは、今も触れられることを拒否し続けている。文化大革命からすでに40年、あの混乱の中で傷ついた多くの人々にも高齢化の波は避けられない。ドキュメントの編者は、中国黒龍江省にあって、文革当時新聞記者を勤め、文革のあの激しい写真を10万枚密かに隠し持ち、アメリカへ移住、最近文革写真集出版を機会に、衝撃的な写真の主人公達を探し出し、40年後からみた文革を語ってもらうべく、中国各地を歩き廻る。

最初に、黒龍江省極楽寺の住職で仲間を告訴し、毛沢東思想普及先頭に立った仏教者を訪ねる。しかし彼は何も語ろうとしない。「文革には触れてくれるな」と悲痛な叫びを発する。

 

次に黒龍江省省長を大衆の面前で丸坊主にさせた事件の最初の告訴者である省長の長女を訪ねる、しかし彼女は決して関係者には会おうしなかった。省長の次女は、当時の紅衛兵の糾弾の激しさに耐えられず両親を告訴せざるを得なかった姉とは40年後の今日も姉妹の関係を絶ち会っていないという。次に、編者は当時の紅衛兵たちを探し出そうと大学を訪問し当事者の現住所を調べようとする。しかし、そこで知ったのは、当時の注目の紅衛兵達は、党幹部の子弟であり、親を守るためには、敵対する党幹部を糾弾するほかなかったと裏事情を教えられる。

 

最後に、毛沢東思想を多く学び英雄とされた兵卒を訪ねる。彼は今は農夫として生活に追われている。農夫曰く「毛思想とは私有財産をなくすことだった。しかし今や中国至るところ、金が全てを支配している」と現実をうらむ。

 

最後に編者は自分自身、文革とは何であったか今も総括不足のため、こうして証言者を前にしても深く追求することも出来ない自分のふがいなさを述懐する。

 

文化大革命とは何だったのだろうか。社会主義は何故挫折したか、それは理念の間違いではなく、権力取得過程で、歴史を無視した重大な過ちをいくつか犯した為ではないか。憎むべき独裁者への権力集中のみならず、暴力を肯定する思想があまりにも広く是認されたからではないか。この過ちをもっともっと歴史的に深く総括しない限り、社会主義の再出発は難しいと自分は信じている。

 

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