NHKテレビ討論会       

ともに語ろう日韓の未来        2010・8・15 NHK 総合テレビ 2時間放映

日本と韓国の青年20名づつが対峙し、中央に6名の著名人が座り、お互いの討論を時々論評する。2時間の討論によってその議論は白熱し、参加者も皆興奮した顔つきで討論を終わった。最初は日韓それぞれ、日本をどう思うか、嫌いと応えた韓国人は71%。韓国を好きだと応えた日本人は62%。。日本を嫌う根底には、1910年韓国併合以降の民族的屈辱の怨念があり、これが現在まで未解決のままであることに起因する。この歴史的背景を論ずる過程で、ある日本の青年、「あの当時、世界は帝国主義の時代であり、世界の先進国は、横暴な後進国略奪をしていたことは事実である。しかし、日本だけがこのように韓国から執拗に罪悪を追求されるのは腑に落ちない」との発言に対し、映画監督崔洋一氏は、「君は本件に関し、歴史的背景を何も知らない。そんな青年には発言の資格なし」と叱りつけたが、京大助教授小椋紀蔵氏は、「歴史の解釈は常に多様である。青年の発言に対して、発言の資格なしとは崔氏の横暴である}と論じ会場の雰囲気を大きく変えた。また、最後の発言では、「何故EUが成り立ったか、そこにはヨーロッパの人間とは何かという根底的な哲学があったからであり、アジアには、今この哲学が必要なのだ」と、一貫して小椋紀蔵氏の発言が目立つ。


興味を高くそそられたのは、韓国企業が今や日本企業を追い越し、世界市場に凌駕しているのは何故かとのDVDの中で紹介された韓国企業の競争世界の実情。幼稚園、小学、中学、高校、そして大学と激烈な競争社会にあり、その最たる闘いが企業への就職試験。ここでは、学歴、成績、資格、留学経験、賞罰が徹底的に評価される。しかも入社後の競争もすごい。そして、この競争に敗者となれば、容赦なくピラミッドからはじき飛ばされる。だから韓国企業の社員はハングリー精神が旺盛であり、必死で仕事をする。しかし、その競争に敗れた落伍者には、冷たい現実が待っており、セフティーネットも不十分であり、毎年自殺者は増えているとDVDは韓国実情を伝えている。


評論者の一人、岡本幸夫氏が最後に曰く。「韓国も、日本ももっとも親しい友人、大切な外国とはアメリカである。しかし、今やアジアの巨人 中国はものすごい勢いで台頭しつつあり、やがてアジアの覇者になる。この時、日本と韓国が互いに手を結び、中国に対峙できるならば、それは両国にとって、大きな利益になろう」と。


岡本氏の日韓提携論の背景にある、日本帝国主義の新戦略が見えている。日韓両国の歴史的背景からも、両国の提携はそう簡単に実現できるものではない。日韓両国の将来像に対して、日本の若者はどう考えているのか、これが今 見えてこない。日本と韓国は本当に手を結べるのか。


2010・8・16記

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