全日本合唱コンクールの埼玉県大会が先週から始まり、二日間は終了しています。男声合唱団Vive La Compagnieは9月4日の[一般の部]に出場します。
8月26日(金)[中学校(混声合唱・同声合唱)の部]
8月27日(土)[大学の部・高等学校の部]
9月4日(日)[一般の部]
埼玉では「独自の」コンクールとして、全国大会とは別に[小学校の部]と[彩の国の部]を同時期に開催しています。この部門は、全国大会へのつながりはありませんが、コンクールの場で歌ってみたいという合唱団にオンステの機会を設け、レベルアップとともにすそ野の広がりを期待しているものです。
全日本の演奏時間は、課題曲は別にして自由曲のみで、高校:6分30秒以内、大学・職場・一般:8分30秒以内となっていますが、それに対して[小学校の部]と[彩の国の部]は6分以内と短く設定されています。また、課題曲の指定もとくになく自由曲だけとやや簡素化されています。ここには合せて26団体がエントリーしています。埼玉独自という意味は、たとえば[彩の国の部]では、人数が6名以上から参加できるため、人数が全日本の規定に満たない団体などのエントリーも可能になっているところがミソなのです。埼玉では、昔からこうしたいろいろな仕掛けを工夫していることは特筆すべきことと自負してもいいのではないかと思います。
今年の課題曲はカテゴリー別にそれぞれ4曲ずつ選定されています。右の欄は埼玉県の参加団体がそれぞれ選んだ曲の数です。選択理由はさまざまだと思います。指揮者や合唱団の好み、力量、トレンド、そして審査員が誰かなど(?)ですが、審査はどうしても減点方式、つまりアラさがしに傾くのはやむをえないところですから、まあ課題曲はソツなく演奏できればその団のレベルがおよそ把握できるという程度のことでいいのでしょう。
勝負を分けるのは「自由曲」です。自分たちの実力や特長をいかに的確に表現し、聴衆や審査員にアピールできるかにかかっています。相当の実力がある団でも、「自由曲」の選曲ミスで涙をのむケースもありますから。
「けれども大地は」は、平成22年度合唱組曲作品公募入選作品(第21回朝日作品賞)
平成23年度全日本合唱コンクール課題曲
埼玉県参加団体の選曲
部門
番号
曲 名
作詩・作曲
混声
G1
O quam gloriosum
Jacobus Vaet 曲
9
G2
Der Augenblick
Karl W. Ramler 詩/Joseph Haydn 曲
5
G3
父の唄(「若者たちの悲歌」より)
谷川俊太郎 詩/高嶋みどり 曲
3
G4
やわらかいいのち(「あなたへ」より)
谷川俊太郎 詩/松本 望 曲
2
男声
M1
Si j’ay perdu mon amy
Josquin des Prez 曲
0
M2
Dir, Seele des Weltalls
Lorenz L. Haschka 詩/Wolfgang A. Mozart 曲
2
M3
冬・風蓮湖
岩間芳樹 詩/髙田三郎 曲
4
M4
隕石(「恋のない日」より)
堀口大學 詩/木下牧子 曲
3
女声
F1
Lascia Filli mia cara
Jan P. Sweelinck 曲
12
F2
Judicabit in nationibus(詩篇110「Dixit Dominus」より)
Baldassare Galuppi 曲
4
F3
私のいのちは(「五つの心象」より)
立原道造 詩/小林秀雄 曲
6
F4
けれども大地は(「夢のうちそと」より)
新川和江 詩/土田豊貴 曲
6
Vive La Compagnieは、来る9月4日が本番です。課題曲は、モーツアルトのフリーメイソン曲、(M2)「Dir, Seele des Weltalls」(宇宙の魂よ、おまえに)を、そして、自由曲には信長貴富作曲「くちびるに歌を」を選びました。
この2曲に共通しているのはドイツ語です。モーツアルトはドイツ語で当たり前ですが、「くちびるに歌を」は、そのもととなった詩がCaesar Flaischlenの「Hab’ Sonne im Herzen」(心に太陽を持て)ですので、その良さを引き出そうという作曲家の狙いからドイツ語と日本語両方が混然一体となっています。作曲の段階で「Hab’ ein Lied auf den Lippen」(くちびるに歌を)とされました。ドイツ語の深く柔らかい発音がどこまで達成できるかが大きなポイントといえるでしょうか。
いよいよ本番間近、最後の追い込み