漢詩4

漢  詩






西

 



西






(したたり)は 山中を発し下方に集む

川は(あまね)く沃し、西の(うみ)に到らんと欲す

技は創り、術を弘め、連なること鎖の如く

更に究む  美、清潔、健康


方、洋、康の韻を踏む七言絶句は、ギョウニンベンで作ったが平仄の同じこの文字でも可)



高野の山深く発した一滴の水が、それぞれの谷より下流に集まりやがて川となる。その川、紀ノ川は和歌山の平野を万遍なく潤し肥沃な土地を作り続け、紀伊水道(西方の海)に流れ込んでいる。そのように花王の研究技術開発を顧みれば、前述の一滴の水のように他の水を集める求心力(凝集力)をもって、幹部は社員に対しては強いリーダーシップと平等な愛をもって、川上から川下へのバーティカルインテグレーションを実践した。また技術をもって花王の海外進出の大きな流れを作った。そして、これにとどまらず、技術連鎖という相乗効果を念頭に、花王は更に社のモットーである、清潔・美・健康について研き究めようと歩き続けている。


(西洋とは通常では欧州の事を言うが、古い中国では、南アジアの島々の事を指した時代もある。正確にはマラッカ海峡から西を西洋、東を南洋と言うらしい。ここでは紀伊水道と海外を掛け、西の洋(うみ)と読ませる。)
 出張でマレーシア(ペナン)に行き、ここはマラッカ海峡の西、西洋なのだという思いが、以前作った上述の詩と共に強烈な印象として残った。







1994.11)



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上平聲一東韻(空、風、中)     平音 ●仄音 ◎韻