ア・カペラの響きをもとめて


Ensemble cornet

加 藤 良 一



 正月休みも終ろうとしている今、お気に入りのCDを聴きながらこれを書いている。お気に入りのCDとは、アンサンブル・コルネの「ア・カペラの響 きをもとめて-2」というヨーロッパ教会音楽、イギリス・マドリガルなどを1997年から2000年にかけて収録したものである。この合唱団は、収録時女声5人、男声5人のア・カペラ主体の小アンサンブルだった。その後新しいメンバーが加わっている。
  CDの録音場所は山形県のある小学校のエントランスホールで、残響をかなり活かした、一見教会などの石作りの建物のなかを連想させるものであるが、残響が多いからといって風呂場で唸っているのとはわけがちがう。少人数ではあるが、少数精鋭とはこの団のためにあるような言葉であろう。メンバー全員がきちんと歌っているのには脱帽するけれど、とりあえずそんなことを忘れて 、ただアンサンブルに身をまかせているのも心地よいものである。

 この合唱団をライブで聴く機会はまだないが、レパートリーからしても、大きなホールでなく、響きがよくて緻密なアンサンブルを聴かせられるところがよいだろう。コルネのメンバーはお互いによく聴きあって歌っているから、文字どおりア・カペラ( Cappella とは礼拝堂という意味がある)に合った場所がいい。
 創立は1982年と古く、山形バロック合唱研究会として発足した。93年・宝塚国際室内合唱コンクール第10回記念大会・カテゴリーA部門銅賞/B部門銀賞、東京ヴォーカルアンサンブルコンテスト・95年96年連続金賞、97年・合唱連盟50周年記念・声楽アンサンブルコンテスト東北大会第一位金賞などを受賞している。いかんせん距離が遠いため、いまだ聴く機会に恵まれないがいちどは聴いておきたい合唱団である。ちなみに、「ア・カペラの響 きをもとめて-2」というCDはホームページから申し込んで買い求めた。

 興味をもたれた方は下記のホームページにアクセスしてみて欲しい。(ただ、失礼ながらホームページそのものはあまり活発ではないので、そのつもりで…) 

http://cornet1982.blog103.fc2.com/

  (2004年1月4日)