Polanoは2008年創団の比較的新しい混声合唱団です。
東京都文京区の「文の京の第九」参加者で結成し、団名は宮沢賢治の「ポラーノの広場」からとっています。「ポラーノの広場」は、博物局で働くキューストと農夫の子ファゼーロたちが伝説のポラーノの広場を追い求め、ついに自ら理想の広場を実現するという作品です。音楽の理想の広場を目指そうという意気込みが込められたものでしょう。
このコンサートには、ソプラノの大橋都希子さんからのご紹介でお伺いしました。当日のオンステメンバーは21名、比較的若手が揃っています。
Polanoは一風変わっていて、前売り1,000円なのに当日券はなんと10,000円‥、シャレが利いています。これなら当然前売りを買いますね。
プログラムの表紙の画像でも貼って雰囲気をお伝えしようかと思ったら、「本冊子の一部あるいは全部について、当団の許可なく…公衆送信…は堅くお断り」とあったのでやめました(‘;’)。
2016年2月11日(祝) かつしかシンフォニーヒルズ・アイリスホール
指 揮: 二階堂孝 ピアノ: 田村爽月
プログラムは4ステ構成でした。
幕開け<ポラーノの広場へようこそ>と題する1ステは、ニコラス・ホワイト作曲「O Magnum Mysterium」やKen-Pこと佐藤賢太郎さんの「Ave Maris Stella」など4曲が演奏されました。
最初のひと声から素晴らしいハーモニーが飛び出してきて、これはこれは(失礼…)と身を乗り出してしまいました。でも、一曲目は皆さんちょっと緊張して硬かったんでしょうか、それに最初から出番があるソリストは大変だったと思います。
ポラーノの良さは皆さん声がきれいなことと、発声の方向性が揃っているのでベクトルがピッタリ、大きな一つの塊になって飛んでくるからとても気持ちよく聴いていられました。ヴォイストレーナーに小玉友里花さん(東京藝大声楽科卒)を招請していますが、それが良い結果を生み出しているのでしょうか。
2ステは<沖縄の風に誘われて>とガラリと雰囲気を変えたステージでした。
「てぃんさぐぬ花」「島人ぬ宝」「童神」に続く「ハイサイおじさん」では動きのある振り付けで場内を沸かせました。沖縄独特の踊りカチャーシーを交え、お道化たメンバーが笑いをもたらすなど楽しい一曲でした。
休憩のあとは、リトアニアの作曲家ヴィタウタス・ミシュキニスの作品集のステージ。
開演冒頭のあいさつでは、このコンサートに備えて全部で16曲も練習したと仰っていましたが、あれ、全部で15曲しかないなと思ってプログラムをよくよく調べたら、事前のチラシに掲載されていたミシュキニスの「Cantate Domino」が載っていませんでした。たしかにチラシには<おしながき(予定)>と断っていますから、どこかで変更されたんでしょうね(^_−)
最後のステージでは、覚和歌子の詩による混声合唱組曲『等圧線』(信長貴富作曲)が演奏されました。中でも語り掛けるように印象的な「リフレイン」は、メンバーの愛唱歌ともなっているようで、とても気持ちが込められた演奏となりました。
Polanoは、2015年の埼玉ヴォーカルアンサンブルコンテストSVECで銀賞を受賞しており、さらに高みを目指して前進するにちがいありません。
★Ensemble Polano:第2回コンサートの録画が視聴できます
http://ensemble-polano.jimdo.com/
M-132
Ensemble Polano アンサンブル・ポラーノ 第2回コンサート
加 藤 良 一
2016年2月29日