M-120


なにわコラリアーズ

第20回演奏会を聴いて




森下智晴 (男声合唱団コール・グランツ)

201465




 

 合唱を趣味?というか、始めたのは高校生の時だから、もう20年以上が経っている。男声合唱のおもしろさも、難しさも、それなりに知ったつもりではあるが、まだまだ奥深いものがあると今でも思っている。
 最近はなかなか、鳥肌が立つ、というような演奏に巡り合わず、悶々として過ごしていたが、予てから演奏に評判のある、なにわコラリアーズが初めて東京で単独演奏を行うというので、だいぶ前よりチケットを購入してこの日が来るのを楽しみにしていた。

 演奏が行われた紀尾井ホールは、いわゆる残響音もよく残る、アカペラなどの演奏に向いているホールであり、四谷駅から上智大学のキャンパスに隣接するところに有る。
 ここでは過去、いろんな演奏家の演奏でも聴いているので、それらとも比較して聴けるのが、良い。(ヘルシンキ男声合唱団やスヴァンホルムシンガーズの演奏を聴いている)


 なにわコラリアーズは20回の節目で、東京でコンサートを行うという目的から、プログラムはかなり気合を込めた構成になっていた。


   なにわコラリアーズ 第20回演奏会 in Tokyo  2014524()
    1.       V.トルミスの男声合唱
    2.       悲しみと怒りへの祈り
    3.       「虹の木」
    4.       「東海道四谷怪談」
    5.       ~なにわコラリアーズ 珠玉の愛唱歌〜


 1ステージ目に、彼らの定番というべきバルト三国 エストニアの作曲家トルミス氏の作品から選りすぐりの3作品を持ってきて、2ステージから4ステージは2013年度・2012年度・2011年度と彼らの委嘱作品を並べ、最後の5ステージは、アラカルトで彼らの得意な愛唱歌で締めるという構成であった。
 人数は、60名強の大人数で、一人一人がかなりの実力者で揃っており、ソリストにいつも困るわが団とはかなり違い、うらやましい限りである。

 指揮者 伊東氏は男声合唱らしい?指揮者で、オーソドックスにしっかりとまとめた指揮ぶり。私は嫌いではないが、ここは好みが分かれるところか。

 さて、曲の感想だが、変な雑音がなく、きれいなハーモニーはある意味、完成の領域に近づいており、いわゆる風の音などの表現、無声音、掛け合い、等々、素晴らしい演奏であった。フォルテになると、割れる音が出る合唱団も多い中、この団に至ってはそういうことはなかった。私の席はステージ前から4列目なので、音は通過してしまう位置にあり、残響音については、正直わからなかったが、少なくとも鳥肌たつ演奏を久しぶりに聴くことができた。

 久しく他団の演奏を聴いてなかったのだが、これからまた素晴らしい演奏を求めて聴きにいってみたいと思う。

 You tubeでもいくつか演奏が公開されているので、興味ある方は是非お聴きください。



      

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