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「四季の彩り」
「月下美人」凛と
凛と咲く花の矜持

 東京のスーパー熱帯夜(最低気温25度以上)18日間以上で史上1位を初め、猛暑に関連する数々の記録を打ち立てた8月も終り、長月、9月となりましたが猛暑は相変わらず続いています。しかし、
 秋来(き)ぬと目にはさやかに見えねども
          風の音にぞおどろかれぬる
の藤原敏行の短歌でもありませんが、朝夕の涼しさには微かな秋の訪れが感じられます。

 この九月の訪れと共に我が家の月下美人が開花しました。何鉢かある孔雀サボテンは既に六月から七月にかけて次々に開花し、雅な香りと妖艶な花姿を楽しませてくれましたが、一見同じに見える昆布状の扁平な葉状茎をもつ残る一鉢の月下美人の開花を心待ちしていたところです。

 昨年は中秋の名月の頃に咲きましたので、今年は若干早めでしたが一輪の花が長いシュートの先に、昼間の熱気を残す闇の中で昨夜開花しました。開花と共に濃厚で雅な香りが漂い、純白の花が徐々に開いてきました。孔雀サボテンに比べ直径で2pほど大きく、正に大輪の花が闇を圧する存在感と共にそこにありました。

 午後8時過ぎに開花し11時過ぎには満開状態になり、朝の光と共に萎んでいく、開花時間はわずか数時間にも満たない正に一夜花。その儚い、それ故に完全燃焼にも似て誇り高く凛と咲く花の姿に、花の矜持を見た思いです。

 ☆花しべに月の光も滲ませて
         宵の名残か月下美人咲く
 ☆楚々と咲き香りもゆかし月下美人
         一夜の花の憂い秘めもつ

 月下美人の開花と共に夢中でシャッターをきりましたが、この花の輝きを表現する技術の不足と、人口の光の限界を改めて感じました。何枚か撮った中から少しましな画像を掲載したいと思います。そのほかに夏の名残をとどめる浜木綿、むくげ、芙蓉等の夏の花を掲載しました。また、写真をクリックしますと原寸大の写真がご覧頂けます。拙い写真ですが著作権は放棄していませんので、無断転載はご遠慮願います。

          2010年9月4日

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