紺野まひるのページ

−序−永遠のヒロイン



 このコーナーでは、紺野まひるさん(愛称「まひるちゃん」)という、宝塚出身の女優の話をしています。
 このコーナーをご覧になればおわかりの通り、僕はまひるちゃんを、宝塚時代からずっと追いかけてきました。いろいろな芸能人や、宝塚の生徒さんを好きになりましたけど、まひるちゃんほど好きになった人はいません。

 出会ったのは宝塚時代のこと。とはいえ、最初は名前を知っているだけの人でした。最初からのめり込んでいた訳ではないのです。
 それでも、「落ちた」(笑)瞬間のことは忘れられません。
 ある日、宝塚のバウホール公演のビデオを見ていたら、一人の可愛い娘役に唐突に打ちのめされた。そう、この「一人の可愛い娘役」が、まひるちゃんだったのです。
 それからしばらくして、まひるちゃんの姿見たさに別の公演のビデオを買いました。そのビデオを見ながら、僕は、自分自身がまひるちゃんに落ちてしまっていることを、改めて実感したのでした。

 そして、僕は、まひるファンとして動き始めました。
 まひるちゃんの所属していた雪組の公演に通うようになりました。そして、1公演あたり5〜6回は見るようになりました。それまで雪組は、1公演1回くらいしか見ていなかったのに。
 それまで見たことのない、新人公演というものも、見るようになりました。新人公演では、普段の公演以上に活躍しているまひるちゃんを見ることができるから。
 そして、ファンクラブに入りました。宝塚のファンクラブという組織に入ったのも、後にも先にもまひるちゃんのファンクラブだけでした。
 信じられないほどに、入れ込んでしまったものです(^-^;)。



 宝塚に入ってから7年目。まひるちゃんは、雪組で娘役の頂点にまで登り詰めました。ファン念願の、トップ娘役就任です。
 トップ娘役。この重要な地位に、まひるちゃんがたどり着いたときの喜び。それはとても大きなものでした。

 ところが。その時期、宝塚歌劇団の内部には改革路線の嵐が吹き荒れていました。その改革路線の嵐の中、まひるちゃんと同時に雪組の新トップスターになった絵麻緒ゆうさんは、お披露目公演で退団させられてしまいました。
 そして、まひるちゃんも、絵麻緒ゆうさんと同時に「追憶のバルセロナ」/「On The 5th」、1公演限りのトップ娘役ということになってしまいました。
 退団の真の理由はわかりません。でも、絵麻緒さんの退団は大きい要素だったことでしょう。宝塚時代、最もまひるちゃんに似合う男役が、絵麻緒さんだったのですから。

 お披露目・サヨナラ公演の千秋楽、僕はサヨナラショーを見ながら、ものすごく泣きました。
 泣きながら、色々な思いを感じていました。「せっかくトップ娘役になれたのに、なぜ1作?」という悔しさ。もっと宝塚で見ていたかったという思い。そして……、泣いてしまうほどに好きでたまらないという気持ち。



 ずっと、この人について行きたい。そう思うようになったのはいつのことだか覚えていません。でも、宝塚退団が決まったとき、もう気持ちは固まっていました。
 宝塚は退団しても、女優として芸能界に進んでいく。それなら、女優として活躍していくまひるちゃんを応援していこう。
 宝塚最後の舞台が終わった後も、その気持ちは変わっていませんでした。

 まひるちゃんは、僕の中で「永遠のヒロイン」になっていたのです。

 とはいえ、まひるちゃんが、雪組のトップ娘役だったことが忘れ去られはしないかということに、恐怖を感じています。
 たとえ1公演だけでも、まひるちゃんはトップ娘役に就きました。トップ娘役という、宝塚歌劇にとって、大きい仕事の1つをしているのです。だから、1回限りのトップ娘役であっても、宝塚歌劇の歴史の中に残ってほしいのです。大きい仕事をしたスターの一人として。
 このコーナーを独立させずに、「隠れ宝塚のひとりごと」の中の1コーナーとして位置づけているのもこれが理由です。たとえトップ娘役が1回しかできなかったとしても、そのことを忘れてほしくない。1回でもトップ娘役を経験していることを覚えておいてほしい。そんな願いが込めてあります。
 宝塚時代の話で、フォントの色を緑色にしたのも、これが理由です。まひるちゃんが所属し、トップ娘役をつとめた雪組のシンボルカラーは緑色です。宝塚時代の話を、緑色のフォントで飾ることで、「雪組トップ娘役だった」ということをさりげなく強調しています。



 退団後程なく、フラームへの所属が発表されました。広末涼子さんや小雪さんと同じ事務所です。こんな事務所に所属させていただけることに、ファンとしても嬉しさを感じました。そして、この事務所なら、きっといい仕事をしてくれるのではないか、そんな予感を感じていました。

 その予感は当たりました。
 退団の翌年、NHK連続テレビ小説「てるてる家族」へのレギュラー出演が決定しました。しかも、主人公たち四姉妹の長女という重要な役です。
 それはもう、嬉しかったものです。NHKの連続テレビ小説という、国民的認知度の高い番組に、まひるちゃんが出してもらえるのですから。しかも、主人公の姉という、欠かすことのできない役で。
 そして、このドラマを通して、宝塚時代とは違ったファンが増えてきたことも嬉しかったものです。

 それからの女優としての、まひるちゃんの仕事は順調すぎるほどでした。

 「てるてる家族」の放送真っ只中の2003年12月。舞台「天国の本屋」への出演。しかもヒロイン役です。これも僕の中では大きい出来事でした。
 宝塚時代からのファンですから、舞台のお仕事については格別の思い入れがあります。舞台を通して僕はまひるちゃんを好きになっていったのですから、できることならもっと舞台の上に立つまひるちゃんを見たかったのです。
 「天国の本屋」はそんな僕の願いに答えてくれるような舞台でした。僕は東京の劇場での上演だけでは足りず、前橋にまで舞台を追いかけに行ったほどです。そして、宝塚以来の舞台、宝塚以来のヒロインというものに僕は陶酔していました。

 「てるてる家族」、「天国の本屋」以降もまひるちゃんは今まで順調な活躍を続けています。NHKとTBSを中心に何本ものドラマに出演。
 主だったところでは、去年のNHKの夜のドラマ「結婚のカタチ」。初めて悪役で見せてくれました。
 そして今年は、2〜3月に、久々のミュージカルへの出演もありました。V6の坂本昌行さん主演「NEVER GONNA DANCE」のヒロイン。

 今年は、怪我に見舞われ、一時休養もありました。でも、怪我から回復したあと、またドラマの仕事を始めました。今年の秋、放送されます。
 これからも、宝塚で培った実力を武器に、きっと活躍してくれると信じています。



 正直、宝塚時代からのファンとして、今でも悩むことがあります。
 宝塚にもう少し残り、トップ娘役で2〜3公演やってほしかったという思い。「てるてる家族」以降の活躍が嬉しいという思い。この、二つの相反する思いです。

 宝塚時代からのファンにとって、宝塚で見たかったものはまだたくさんありました。トップ1作だけでは満足できないほどに。しかし、退団後の活躍の中には、トップ1作で宝塚をやめたからこそできた仕事というものもあります。
 「宝塚で見たかったものへの思いを大事にする」か、それとも、「今の活躍をとにかく喜ぶ」か。
 僕はこの悩みをまだ解決できていません。

 ただ、一つだけ確かな思いがあります。「まひるちゃんが大好きだ」ということ。この気持ちを大切にしながら、僕は「紺野まひるのページ」を運営していこうと思います。
2005年8月
国やん

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