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星組梅田芸術劇場公演

コパカバーナ

観劇日時 2006年6月4日
12時の部


コパカバーナ


 本題に入る前に劇場に関して一言。
 梅田芸術劇場メインホール3階B席の、「安かろう悪かろう」には参った。確かにチケット代3000円は安いが、ベストな観劇環境ではなかった。特に音響がひどい。ミュージカルなのに、肝心のボーカルが聞き取りづらいのは非常につらかった。
 博多座の宙組公演でも、同じ作品を同じ条件(すなわち3階席)で観劇しているが、 観劇条件は悪くなかった。1000円高くても、価格設定が良心的に思えるほどだった。
 3階席の価格が少し高くなるのは仕方がない。もう少し、ベストな観劇環境になるよう、劇場を改装できないものだろうか。


 日本では宝塚が初上演となる、「コパカバーナ」。コミカルあり、スリルあり、ハッピーありの、面白いミュージカルだった。登場人物全員が、ハッピーな終わり方か?と思うと、そうでもない。とはいえ、ハッピーエンドの形だから、観劇後の気分はいい。

 星組公演だが、まずは遠野あすかに注目。今回の公演が、専科生として初めての出演。それだけに、応援している身としては、かなり気になるものが多かった(だから、わざわざ日帰りで梅田まで行ってしまったのだが……)。
 遠野あすか演じるコンチータは、「ラテン系悩殺美女」と説明にはあるが、実は結構奥が深い。自分が歳をとってきて、魅力がなくなってきているのではと悩みながら生きている面がある。繊細な人物だ。
 それだけに、結構高度な演技力が要求されているように見えた。
 だが、そこは持ち前の実力で、見事に演じていた。悩んでいるところや、繊細な人物像もよく出ている。専科の娘役らしい演技を見せてくれた。

 退団の決まったトップスター、湖月わたるの充実ぶりがすばらしい。どこかカリスマ的な雰囲気を漂わせた舞台。
 トニーは見事に決まっていた。そして、主題歌にあわせたダンスに見応えがあっていい。

 ローラの白羽ゆりも、トップ娘役として成長してきている。お披露目で大役をやって、実力に磨きがかかった印象がある。
 ローラは「いい意味で何も知らない可愛らしさ」を持ったキャラクター。その「いい意味で何も知らない」部分の表現がとてもよかった。

 見応えあったのが、安蘭けいのリコだ。
 安蘭けいのリコは、真っ黒な悪役だった。見応えがあるのは、その黒い部分。徹底的に黒くなることで、見る者をひきつけていたと思う。
 さすがは安蘭けい。その実力に、改めて感心してしまった。


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