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雪組中日劇場公演

星影の人
Joyful!!2

観劇日時 2007年2月10日
16時の部


 雪組を観劇するのは実に4年ぶりのこと。
 贔屓のトップ娘役1作退団以来、僕は宝塚に対して絶望してしまい、もう少しで宝塚ファンをやめてしまいそうな状態だった。特に、雪組は贔屓の思い出の残る組ということが大きく、観劇できない時間が長く続いてしまった。
 それでも、最近になってようやく、宝塚に対して立ち直ってきた。その立ち直りが、今回の観劇へとつながってきた。

 僕が宝塚に対して抱えている心の傷は、決して癒えることはないだろう。だが、過去の思い出を大切にしながら、雪組を観劇しようという気持ちが生まれてきた。

 たった1回の観劇でも、自分にとっては大きい区切りとなる観劇になった。

 ただ、ブランクが長くて雪組はかなり疎くなってしまった。これから覚え直しになる。


星影の人
ー沖田総司・まぼろしの青春ー

柴田 侑宏 作・演出
尾上 菊之丞 演出・振付


 約30年ぶりの再演と、初演からかなりの時を経過しているが、名作といわれるだけのものを感じた。
 新撰組というと、多少血なまぐさいイメージがつきまとう。だがこの作品では、沖田総司を主人公に、新撰組隊士たちの恋模様が、情感豊かに描かれている。新撰組の隊士もやはり人間なのだと気づかせてくれる。
 沖田総司と玉勇の物語は、まさに「生きるときめき」を感じさせる。結核で咳き込む沖田を介抱して、玉勇が斬られる場面は、観る者の胸を熱くしてくれる。
 そして、主題歌がとてもいい。「生きるときめき」は名曲の中に加えたい。

 新トップスターの水夏希を観るのは、数年前の花組特出以来のこと。
 儚げな雰囲気を漂わせて、味わいのある演技を見せてくれた。新撰組の話の中でよく出てくる、沖田総司の人柄のよさも出ている。沖田総司はなかなかお似合いの役だった。

 星組のトップ娘役から組替えになった白窒艪閨B
 祇園の芸妓らしく、艶やかさがあった。艶やかさだけでなく、しっとりとした雰囲気もあって魅力的。演技の幅の広いトップ娘役に成長してきている。

 久々に雪組を観劇する僕をナビゲートしてくれたのが、花組から組替えで来たばかりの彩吹真央。
 花組時代からの実力を武器に、味わいのある土方歳三を見せてくれた。よく知っている人が、いい演技を見せてくれることが、心強かった。

 おみよの山科愛が僕の目を引いた。
 「追憶のバルセロナ」以前の雪組でも注目される存在だった。それから5年の時を経て、娘役として大きく成長していた。沖田を思う姿がとても魅力的だった。

 おみよと早苗、2人の女性が沖田を思いながら歌う場面がある。この場面は娘役ファンとして見応えがあった。
 早苗の晴華みどりも、なかなかいい娘役だと思った。演技はしっかりしているし、歌もよくできている。実質的に、今回の舞台で初めて名前を知ったが、覚えておきたい娘役だ。

 この作品を観劇して、久しぶりに思い出した言葉がある。
 日本物の雪組。
 久々の観劇でも、日本物を演じている雪組に、独特の魅力を感じていた。
 


Joyful!!2

藤井 大介 作・演出


 4年前の雪組公演のリメイクバージョン。
 実はこの作品、初演の時も観劇している。だがあの頃は、贔屓の退団の傷が深いときに観たので、いい思い出が残っていない。
 そんな訳で前回との比較はできない。
 だが今回のリメイクバージョンを見直してみて思った。「Joyful!!」は、こんなにも楽しいショーだったのかと。
 観劇するときの感情というものも、作品を見る目を大きく変えるものだと思った。

 フルメンバーではなくても、総踊りの場面が多く、かなりの迫力を感じさせてくれる。
 そして、全体が弾けた雰囲気で、とても楽しさを感じさせてくれた。

 今回は楽しく観劇し、舞台にあわせて手拍子を打っていた。観劇後しばらくは、頭の中から主題歌が離れなかった。

 雪組を、これだけ楽しんで観劇できるようになった。
 自分が宝塚に対して立ち直って来たことを、改めて感じさせてくれた舞台だった。

 あの日から止まっていた時計が、再び動き出したような気がした。
 ブランクが長くなってしまったけれども、これからは再び雪組も見ていこうと思った。

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