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月組梅田芸術劇場公演

Ernest in Love

観劇日時 2005年7月17日
12時の部


Ernest in Love

オスカー・ワイルド 原作
木村 信司 日本語脚本・演出


 月組新トップコンビ、瀬名じゅんと彩乃かなみ。この2人を、大劇場お披露目公演前に見たくて、出張の機会にぶつけて観劇してきた。

 まず改めて実感したのが、瀬名じゅんはやっぱり男役が似合うということ。
 「エリザベート」のヒロインも、それなりにいいものではあった。だが、男役に戻った姿を見ると、女役を演じたとき以上の魅力が漂っていた。男役に戻って、生き生きと舞台で演じている姿が印象的だった。
 でも、エリザベートを演じたという経験は決して悪いものではなかったと思う。逆の立場を演技するという経験を通して、男役に磨きがかかっていた。エリザベートは、トップスターの準備に、いい機会だったのかもしれない。
 花組から月組に組替えになり、エリザベートを経てトップスターに。この過程の中で、男役らしさがさらに増したのが頼もしい。

 そして新トップ娘役の彩乃かなみ。
 実は舞台で見るのは、花組以来のこと。宙組時代の舞台は見たことがなかった。それだけに、まず感じたのが、懐かしさだった。
 正直なところ、ちょっと申し訳ない気持ちがある。宙組時代を見られなかったことに。彩乃かなみが宙組にいた頃は、僕が宝塚に対して最も元気をなくしていた時期とかなり重なっている。宙組にまで行く精神的余裕はなかった。
 久々に見る彩乃かなみは、トップ娘役らしい風格がいつの間にか身についていた。宙組での二番手経験のたまものだろう。見ていない間に、ずいぶんと成長したものだと感じた。
 そして、花組時代から魅力の一つだった、歌のうまさは相変わらずだ。これだけの歌唱力のある娘役は少ない。海外ミュージカルの多い月組では、いい武器になるのではないだろうか。

 今まで不思議と縁遠いことの多かった月組だが、これからは観劇回数が増えるかもしれない。新しいトップコンビを見て、新しい月組の大劇場・東京宝塚劇場公演が楽しみになってきた。



 この作品は、東京の日生劇場で上演される花組バージョンも観劇する予定になっている。それだけに、作品がどんなものかも気になっていた。組を変えて東京でも見るなら、やっぱり楽しめる舞台の方がいい。
 配役の数が少ないけど、脚本は楽しい。笑っている間に、時間があっという間に過ぎてしまう感じだ。これは東京でも楽しめそうだ。東京では、役替わりも楽しみだが、作品のそのものの面白味も、もっと楽しんでみたいところだ。


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