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東京宝塚劇場 花組新人公演

ファントム

観劇日時 2006年9月5日


ファントム

アーサー・コピット 脚本
モーリー・イェストン 作詞・作曲
青鹿 宏二 翻訳
中村 一徳 潤色・演出
生田 大和 新人公演担当


 本公演では2幕のところを、1幕に圧縮しての上演。本公演を見ていなければ話がわからないほどに、カットされた場面が多かった。
 新人公演だからこそ、カットされた場面が多いというのは痛い。頭の中でストーリーを補いつつ、見たいと思う人をチェックしたり、他にも気になった人や事をチェックしたり。とにかく忙しい。目が回るかと思った。
 多少の場面割愛は仕方ないにしても、やっぱり2幕でできるだけのところは見せてほしかった。同じ大作でも、「エリザベート」などは2幕で新人公演をしているのだから……。

 ファントム(本役:春野寿美礼)の望月理世。決して上手い演技とは言えないが、それでも結構いい出来だった。歌に感情がよくこもっていたので、ファントムの感情は伝わってきた。

 キャリエール(本役:彩吹真央)の紫峰七海、ファントムとのやり取りがとてもよかった。見所はやはり、キャリエールがファントムに「私の息子よ」と名乗るところ。新人公演でもとてもいい出来だった。父子で抱き合うところが、ごく自然に出来ていた。
 朝夏まなとは、今回も期待にこたえてくれる。今回のフィリップ(本役:真飛聖)も、新人公演としてはかなりの出来だった。一度主演を経験しているだけに、余裕も感じられる。

 クリスティーヌ(本役:桜乃彩音)の華城季帆。個人的にはものすごく楽しみだった。
 出来は期待を裏切らなかった。とにかく歌がいい。透明感のあるきれいな歌声、聞いていて心地よかった。まさに「天使の歌声」。演技も、だいぶ成長のあとがうかがえていて、よかった。

 他に娘役では、カルロッタ(本役:出雲綾)の初姫さあやがよかった。カルロッタらしく、威圧感を漂わせた演技。新人公演でよくこの役をこなしていると思った。歌でも発声に工夫が入っているようで、なかなか聴き応えがあった。


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