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月組 TAKARAZAKA 1000days劇場公演
LUNA / BLUE MOON BLUE
観劇日 | 2000年5月20日 | |
観劇時刻 | 午前11時の部 | 午後3時30分の部 |
観劇場所 | 29列下手(C席) | 22列中央(B席) |
LUNA −月の伝言−
小池 修一郎 作・演出
BLUE MOON BLUE −月明かりの赤い花−
齋藤 吉正 作・演出
まずは初風緑の好演ぶりを強調しておきたい。紫吹淳のベルリン公演出演による代役2番手だが、これを非常にうまくこなしていた。
「LUNA」のブライアンは明らかに紫吹淳に当てるために作られたキャラクターだった。だが、実際に見てみると、これをうまくものにしているのだ。ブライアンという人物の怪しさ、胡散臭さをうまく見せている。「BLUE
MOON BLUE」にしても、2番手の場所にいることへの違和感を全く感じさせない舞台。
両方とも2番手らしく振る舞っていて、非常に好感を持たされた。
さて、「LUNA」であるが、小池氏も妙な作品を作ったものだと思わされた。
決して駄作に見えたわけではない。それなりに楽しめるものだった。しかし、お世辞にもいい作品とは言えないものを持っている。
まず観客を引かせてしまう場面が多いことが気にかかる。例えば冒頭の3人組の歌手が歌うところ。思いっきり場の空気の流れを変えてしまっている。例えば、自己啓発セミナー。これは風刺のつもりだろうが、風刺にしてはちょっと寒すぎるものがあった。あまりの寒さに笑ったほどだ。
それから、SFとファンタジーのギャップ。あまりにもSFとファンタジーが融合していなかった。他人の遺伝子を利用することによって超人を作ろうとしている悪者がいることと、これが月読伝説によって封印されることにより退治されること。この両者のギャップはあまりにも凄まじく思えた。「ウラノス」という名前以外の関連性がみえないため、両者が水と油状態に見えるのだ。
もう少し、何とかできなかったのかという気がしてならない。
ただし、さすがに小池氏だけあって、ストーリーの破綻は少ないし、ミュージカルとしての基本的な構成はきちんとしていた。このあたりは救いであった。
「BLUE MOON BLUE」は、娘役ファンとしてはかなり印象的なショーだった。
何といっても、花瀬みずか、叶千佳、眞宮由紀、椎名葵の4人のウサギ。一人だけでも十分可愛いのに、これを4人まとめて持って来られると、強烈なインパクトを感じる。しかもレベルの高い月組の若手娘役だから、なお一層引きつけるものがある。
そしてこの4人のエトワールがまたよかった。個人的に、エトワールは選ばれた娘役の見せ場という思い入れが強く、変則エトワールは好きではないのだが、このショーだけは例外。4人揃って歌の出来がよく、声がきれいにひびきあっていて、非常に心地よかった。
全体を通して見れば、それほどのショーでもないはずなのだが、この娘役の使い方を見ると、齋藤氏にはちょっと高めの評価をしたくなってくる。それほどに、娘役ファンの僕にはかなりの印象だった。娘役ファンとしてのミーハー心を見事なまでにくすぐってくれた……
(^^;
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