観劇記録のページ
花組 宝塚大劇場公演
あさきゆめみし/ザ・ビューティーズ!
「ザ・ビューティーズ!」編
観劇日 | 2000年4月8日 | |
観劇時刻 | 午前11時の部 | 午後3時の部 |
観劇場所 | 1階22列上手(A席) | 1階22列中央(A席) |
ザ・ビューティーズ!
中村 一徳 脚本・演出
よきにつけ、悪しきにつけ、「いかにも中村B」と言いたくなる作品だった。
中村一徳氏の作品は、幕開きやフィナーレの「いかにもタカラヅカ」的な華やかさが好きなのだけれども、さすがに毎度同じ展開では飽きが来る。しかも、折しも1000daysで「華麗なる千拍子」を4回観劇してからまだ1か月しかたっていなかったので、ますます飽きが来るものを感じずにはいられなかった。1回目は「やっぱり中村B」と苦笑しながら
(^^; 観劇できたが、2回目は冒頭とフィナーレだけしか楽しめなかった。
おそらく、中村一徳氏としては、中詰めの部分をラテンからロックに変えることで、「ラヴィール」や「華麗なる千拍子
'99」といった雪組作品との差別化を図っているつもりなのだろうが、それほど大きく差別化されているとも思えない。
宝塚的なものを大事にする中村一徳氏の方向性は間違っていないのだが、もっとバリエーションを広げられないものだろうか。もう少しバリエーションを広げても、けっして中村一徳氏の大事にしている宝塚らしさが失われることはないと思うし、リピーターの中の中村一徳ファンも増えると思うのだが。
もっとも、飽きが来るものを感じながらも、中村B作品的で安心していたりもする。今回は芝居の方が「あさきゆめみし」ということで、非宝塚ファンからの関心が高い。僕の回りにも、「あさきゆめみし」をやるなら宝塚を見たいという人が多い。こういった人たちに最も宝塚的なものをそのまま見せることができるのは、結構大きいことだ。
印象的だったのが初舞台生ロケット。
今年の初舞台生はいつになく元気な生徒が多いと思ったのは僕だけであろうか。元気溢れるロケットで、かなり印象づけられた。まだ誰がいいともわからぬ状態だが、86期全体としては結構楽しみだ。
ただし、今回の構成はいかがなものか。いきなり春野寿美礼が出てくるというのが解せない。しかもソロで歌い出すから、途中までは初舞台生ではなく春野寿美礼の見せ場になってしまっている。確かに、春野寿美礼は華と実力を兼ね備えた生徒だとは思う。だが、それがここでは悪い影響を出してしまっている。春野寿美礼に初舞台生が埋もれてしまうのだ。それくらい、春野寿美礼は花組の中でも存在感の高い生徒である。
あくまでここの主役は初舞台生たちである。春野寿美礼を出したいのはよくわかるが、ロケットとは別の場所に見せ場を作ればいいだけで、初舞台生とは切り離せないものかと思わされた。
エトワールが舞風りらというのが少々意外だった。最近の花組の娘役事情を考えれば、彩乃かなみがエトワールとどうしても思ってしまう。おそらくは育成目的の起用であろう。
しかし、意外に感じながらも、この配役は悪くなかった。舞風りらのエトワールもしっかりしていて好感が持てるものだった。
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