隠れ宝塚のひとりごと
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月組東京宝塚劇場公演
「EL DORADE」(エル・ドラード)
谷 正純 脚本・演出
観劇日 1月24日
観劇時間 午後3時30分の部
観劇場所 3階6扉付近にて立見
−真琴つばさと風花舞−
月組はここ2年で2回もトップスターが替わっている。あの天海祐希の後任となった久世星佳がたった3作で退団。あっという間に真琴つばさがトップスターとなった。
今回はこの真琴つばさのトップとしての東京お披露目公演。
新トップはどんなものかと思いながら東京宝塚劇場へ足を運んでみた。
しかし、公演中目についたのは、トップの真琴ではなく、トップ娘役の風花舞であった。
今回は全編にわたってダンスシーンの多い作品で、ダンスを得意とする風花向きであったこともあろうが、それを抜きにしても、風花の方が目立っていた。舞台の主導権を風花の方が握っていたと言っても過言ではないかもしれない。
決して、真琴がトップスターとしての資質に欠けるとは思えないのだが、何か物足りなさを感じさせられた。
真琴はトップに就任したばかりということで、これからに期待していきたいが、現状では風花の方がかなり上だということは確かであるように思える。
−風花舞の魅力−
そんなわけで、今回最も印象に残った生徒が、風花舞だった。月組の前作「バロンの末裔」では、退団するトップスターの久世にばかり目が行っていて、かなり見落としていたのだが、今回は風花の魅力が存分に伝わってきた。
もともと風花の世代である研8は、娘役の層が厚いことで知られているが(風花の他に純名里沙(平成8年退団)、月影瞳、星奈優里と3人のトップ娘役を送り出している)、間違いなく研8現役生徒のトップだと言ってよかろう。清楚な美しさを持ち、ダンスの能力が高く、さらに芝居も歌も上手くこなしている。以前は歌にやや難があったらしいが、現在では澄んだソプラノを聴かせてくれる。娘役としては当然合格、トップ娘役としても、十分なレベルだ。
今回の公演で、風花は花組の千ほさちに次ぐ僕のお気に入りの生徒になった。
−東宝の大道具係−
クライマックスである「エル・ドラードの最期」の直後の、第2幕第13場「生き続けた夢のかたみ」。クライマックスの余韻に浸るまもなく、いきなり興がさめる事態が起こった。舞台後方から「ドタン、バタン」という大きな音。舞台の手前寄りに幕が降りていて、その後ろでフィナーレの大階段の準備をしているわけであるが(芝居は銀橋を中心に進んでいる)、これが非常にうるさくてたまらない。大道具がうるさいのはいつものことであり、劇場が古いという理由もあろうが、今回は特にひどい。裏でセットが壊れてしまったのではないかと思いたくなるような音が聞こえてくる。あれほど大きい音を出されてしまっては、舞台に集中できない。宝塚以外にも、時折ミュージカルなどを見たりはするが、あれほど大道具がドタバタ音を立てる舞台など、宝塚の東京公演以外にはない。現劇場は12月で閉鎖になるが、1000days劇場へ移るのを機に、これは何とかしてもらいたいものだ。
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