● もしお医者さんが、ま違った病気の見立てをしてしまったらどうでしょう。病気が治らないどころか、治療をすればするほどもっと病気が悪くなったり、ひょっとしたら命にかかわることだってあるかもしれません。学校や塾の先生にも似たような面があります。同じ子どもを見ていても、先生によってま反対の見立てになることだってあります。先生によっては指導すればするほど子どもを悪くさせることだってあるかもしれません。

● 先生の資質ってなんでしょう。また先生の資質って成長するのでしょうか。技術的なことはもちろん大切です。でもテクニックよりも、先生自身の人間力こそがもっとも大切な資質かと思います。考え方、生き方、経験量、努力量、思いの深さ、智恵の深さ、指導の技、夢…。さまざまなことがあわさっての人間力です。

● 知識を教えるだけなら誰にだって先生はできます。でも日々の場面のなかで、先生は、知識よりさらに大切なものも同時に教えてしまっています。先生の「見立て」は、子どものやる気や方向性に大きくかかわります。先生が「どこでほめるか・どこで叱るか」は、子どものその後を大きく左右します。先生が「言っていること・やっていること」は、見ている子どもに大きな影響を与えます。学校や塾全体に流れる「価値観」はそのまま子どもに伝わります。

たとえば先生が「良い点数をとること」や「入試の合格」ばかりを極端にアピールし続けていれば、「それこそが一番大切なんだ」というゆがんだ価値観も同時に教えてしまっているのです。

● 一般に保護者が塾に求めているものはたぶん「成績」だと思います。私たちも基本的には「成績」で月謝をいただいていると思っています。でも仮に月謝に入っていなくても、その何倍も何十倍も大切なことにこそ、私たちはずっとこだわり続けてやってきました。

● コンピュータ―や科学が発達し、さまざまな便利な道具が身のまわりにあふれています。私たちで言えば、ちょっと前までガリ版で原稿を作り謄写版で1枚1枚プリントを作っていたのに…。そのころの「プリントづくりの匠の技」などは、現代において何の意味ももちません。多くの分野で、先人の智恵が次々に闇の中に消えていっています。でもその責任の多くは「先人」の方にあるのかもしれません。大人が「過去に生きる」のでなく「つねに新しい今を生きて」いれば、今を生きる子どもたちとシンクロし、培ってきた匠の技も姿形を変えて子どもたちに伝えることができるのではないでしょうか。

● 啓明館の先生たちは、単なる塾のわくを超えて、バラエティーにとんだたくさんの経験をつんできました。でもどんなに貴重な経験だろうと、いま何もしなければ闇に消え去るばかりです。だから私たちは日々チャレンジを続けています。目新しいことだけがチャレンジではありません。何のへんてつもない日常のなかにも「新しい今を生きる」ポイントはたくさん転がっています。むしろ日常のなかだからこそ大切なことも多いのです。

● 啓明館では「学年ごとに」また「全体としても」定員を設けています。私たちの指導をきちんと実践するために、定員を超える生徒は決してお預かりいたしません。「1人でも多くの子どもたち」に来てほしいのではなく、「1人でもいいから」「私たちの指導を理解していただける人」に来ていただきたいと思います。文字ばかりで見づらいパンフレットをご覧いただきありがとうございます。こんな塾ですが、もし興味をお持ちいただけるようであればお声かけください。よろしくお願いいたします。

啓明館の考え