犬小屋



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犬小屋製作・販売のカッサン犬小屋工房
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2013年3月1日

犬小屋・ペットハウス・ペット用ゲージ・郵便受けなど、木工作品ならカッサン建築工房! 本格大工が作ります。

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人間にとって常に身近にある素材「木」。
しかし、私たちは木についてどれくらいの事を知っているのでしょう?
大工の目から見た「木」についてお話します。
木という材料は、年数が経つと必ず狂いが出てきます。
皆さんが今住んでいらっしゃる住宅も、間違いなく狂いはあります。
また、木ががむき出しになっているような建物(ログハウスしかり、弊社の犬小屋しかり)は、狂いに伴う「割れ」が生じる場合も少なからずあります。

そんな時、お客様の中には、「こんなの欠陥住宅だ!」と憤る方が稀にいらっしゃいます。
個人的な意見ですが、私はこの憤るお客様に深い同調を覚えます。
そりゃそうですよ。一生に一度の買い物なのですから、ちょっとのミスだって腹が立つのに、木に割れが入ったとなったら許せるはずありません。
「ああ、木造住宅なんか建てるんじゃなかった。 鉄筋コンクリート造りにすれば良かった」と思うに至る事でしょう。

そうです。狂いや割れが嫌なら、鉄筋コンクリート造りにすればいいんです。
犬小屋ならスチール製にすればいいんです。(もっとも、鉄筋コンクリートにせよスチールにせよ、多少の狂いや割れはあるのですが・・・)

しかし、弊社は木製の犬小屋を製作・販売しております。
なぜなら、狂いや割れというデメリットがあったとしても、やはり建物は木が一番だという信念があるからです。木の持つ温もりや優しさ、さらに生命としての力強さは、他の建材には決して出す事はできません。

また、果たして狂いや割れというのは本当にデメリットかどうかも疑問です。
ちょっと曲がって割れが入ったような柱や梁なんて、生命の神秘を感じることができて、かえって美しいんじゃないでしょうか?
もちろん、構造上の強度不足で建物自体がゆがんでいるなんてのは問題外ですが、ちゃんとした大工さんが建てたものなら、少々狂おうが割れようが、いつまでもビシッとしているものです。

    
木の割れも作品としての大事な要素かもしれません。(馬路村ゆずの森加工場にて)

ただ、例外があります。それは工期です。
たとえば飲食店など店舗関係の現場でよくあるのですが、「早くしろ、早くしろ」とお客さんに急かされるんです。
んで、しょうがなく人員を増やすんですが、これがいけません。
人員が増えれば、親方の目が全部に届かなくなってしまうからです。そうなると、あちこちで手抜きが始まります。
結果、いいモノができない、という訳です。

もしも、これから新築を建てようとお考えの方がいらっしゃったら、上記のことは気をつけた方がいいですよ。
何かの本にも書いてありましたが、「家は2、3人で建てるのが一番良い」そうです。
私もそう思います。「親方・弟子・使い走り」これで充分です。



生命力あふれる杉林

話がそれました。木についてですね。
そういえば、石器時代、鉄器時代ってありますが、木器時代ってないですよね。確実に使われていたはずなのに、木器時代って言いませんよね。

石器時代・鉄器時代、そして現代は合成樹脂時代と言われたりもしますが、この3つに共通するのは、「割れたら終り」だと思うんですよ。
一方、木ってのは割れるのが大前提だから、「時代」になり得ない、というか、そういう時代わけが意味を成さない素材なのではないでしょうか。普遍的と言いかえてもいいかもしれません。

で、何が言いたいのかというと、そういった木の事情を、私も含めて世間の誰もが忘れているんじゃないでしょうか? 木に対して、鉄やコンクリートと同じ性質を求めていないでしょうか?

私自身、今後もじっくり考えてみたい話題です。



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