●マルチブートソフトを利用した最適マルチブート環境構築秘術
単純にマルチブート環境を構築したければ「ウィザード機能」を利用すればよいが、「完璧なシステム」の構築を目指すものはこの機能を利用しない方がよい。
なぜなら、「新OS用の領域」である「プライマリパーティション」が適当な場所に確保されてしまうからだ。
「完璧なシステム」を目指すものならば、やはりパーティション構成そのものも美しく、また柔軟性のある構造にしたい。
そこでここでは、「マルチブートソフトを利用して、手動でマルチブート環境を構築する」方法を説明しよう。
①マルチブートソフト付属パーティションツールで新OS領域を確保
マルチブートソフト付属パーティションツールで「新しいOSをインストールするための領域」を確保する。
この際トラブルを避け、またパーティション構成の美しさを求めるのであれば、ハードディスクの先頭から各OS領域であるプライマリパーティションが並ぶようにする。
ちなみになぜ、ハードディスクの先頭から各OS領域を確保するとトラブルが軽減されるかというと、これからインストールするOSによっては「BigDrive」に対応していないことが考えられ、そもそも領域が見えない、OSインストール中にエラーが起こるなどの不測の事態を避けるためである。
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※マルチブートソフト付属パーティションツールで新OS領域を確保する。
◎各OS領域をハードディスクの先頭にする理論
図070203
初期リリースのWindows XPセットアップCDでは、「BigDrive」をサポートしていない。つまり、これ以前のOSをインストールしたければ、少なくともプライマリパーティションを137GBより前の領域に確保する必要はある。
②これから新しいOSをインストールする領域をアクティブにする
マルチブート環境では、各OSが「Cドライブ」として駆動する。つまり、新しいOS領域をあらかじめ「Cドライブ」として設定してから、OSをインストールしなければならない。
パーティションにおいて「Cドライブ」を宣言するためには、領域をアクティブにすればよい。
もちろんこれは「OSインストール前」にかならず実行しておくこと。
※「システムコマンダー8」の場合、メニューバーから「詳細」－「アクティブ/ブート可能にする」を選択すると、領域をアクティブにできる。
③既存OS領域のマスク
必須操作ではないが、万が一を考え、現状存在するOS領域（これからインストールするOS領域以外のプライマリパーティション）を「マスク」してしまうとよい。これにより、既存OS領域を操作できなくなる。
※「システムコマンダー8」の場合、メニューバーから「詳細」－「非表示」を選択すると領域をマスクできる。
◎新OS領域のアクティブと既存OSのマスク
図070204
これからインストールするターゲット領域を「アクティブ」にして、他のプライマリパーティションはマスクする。
④OSのインストール
OSセットアップCDから起動し、先にアクティブにした新しいOS領域にOSをインストールする。インストールターゲットはもちろん「Cドライブ」だ。
ここで領域指定を間違えると、既存OSを壊してしまうので慎重に行うこと。
※マルチブート環境構築におけるOSのインストールの場合、ディスク上の位置の関係で「Cドライブ（アクティブ領域）」が下方に表示されるが、これで正しい。
⑤マスターブートレコード
マスターブートレコードの修復を行う。なお、マルチブートソフトのバージョンによっては、新しいOSを「OS起動セレクトメニュー」に自動登録してくれないので、手動でメニュー登録する必然性に迫られる場合もある。
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