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ムービープラスの驚愕録画音


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映画『エリジウム』にひそむ驚愕音を楽しむ

映画 : ドルビーアトモス
ブルーレイ 2D : DTS-HD Master Audio 7.1ch (英語)
ブルーレイ 2D : DTS-HD Master Audio 5.1ch (字幕:日本語)

『エリジウム』(2013年)は当時映画館で観て、レンタルBDでも観て、その後にTV放送でも観て来たが、今回あらためてCSのムービープラスでも観たのだが、TV番組で放送されたものをブルーレイレコーダーに録画し、それをオーディオアンプに通して鑑賞してみると、BD鑑賞とさほど変わらない驚くべき音質がひそんでいたのに気がついた。TV放送されている映画は、たいてい大した音響でないものが多く、録画しても滅多にオーディオを通すことはない。TVは音質よりも映像を重視しているからであろう。4Kや8Kがやたら最優先事項のようにおもわれる。BDは2Kであるが、わたしはさほど不満には思っていない。画質も重要ではあるが、そこそこの画質で映画作品の内容がよければ、それで満足している。むしろ、映画鑑賞は画質よりも音質のほうが大切であると思っている。ホームシアターにつないで究極のサウンドを加えると、TV放送の映画であっても作品の世界は一変する。ちょっとした、ささやかな音楽の旋律が優美に流れるだけで、作品のムードはガラリと変わる。宇宙銀河を舞台とするSF世界も、ど迫力で作品の世界観はガラリと変わる。TV画面も出来るだけ大きいほうが堪能できる。

その意味では、『エリジウム』は実に面白いこだわりの題材ではなかろうか。TV画面でただ映像を追っているのと、ホームシアターにしてサウンドを加味して観るのとでは、段違いの世界を堪能することができる。『エリジウム』は、そういう映画だ。宇宙空間を感じるにも、無機質な宇宙音域が際限なく必要である。しびれるようなシャトルの浮遊音や敵味方の攻撃バトル、あり得ない2154年の地球の状況を描く未来図は、けっして暗示された架空の姿でもないかもしれない。今考えればあり得る世界かもしれないし、まんざら虚構の未来図でもないかもしれない。衛星軌道上に建造されたスペースコロニーことエリジウムに暮らす超富裕層と、荒廃してスラム化した地球上に棲む貧困層との実態は、百数十年後の地球のことを思えば、あり得なくもないかもしれない。ストーリーが何であれ、金持ちと貧乏人あるいは中間層との所得格差があろうがなかろうが、自然の恵みあってこその生態系を成していることには変わりない。酸素や水、食糧、太陽からの熱エネルギー、植物の栽培、あるいは動物や魚類の蛋白質、砂糖や香辛料、衣類に関わる産業、あらゆるインフラに必要な鉄鋼産業や工業製品など、数えたらきりがないほど生きてゆく人間には、無数に必要なものがある。最低限なものと、贅沢なものとの判別さえつかないかもしれない。

映画『エリジウム』のTV放送の音質がすばらしいのは、そもそも映画製作時に骨格となるドルビーアトモス収録でサウンド形成が緻密になされていることだ。ブルーレイのディスクをそのまま放送してしまえば、DTS-HD Master Audio 7.1chの音源が得られるわけで、視聴者がそのままホームシアター状態で鑑賞すれば、当然いい音が得られるわけだ。わたしの場合、TVの音は消音して、オーディオ・ホームシアターにつないでいるマーティン・ローガンが再生できる音質で堪能している。再生帯域は28~24,000Hz±2dBである。高中低域は静電型のコンデンサ型フルレンジで、超低域はスーパーウーファーが実に活躍している。スピーカー本体の総重量が49kgあるので、ボリュームを上げると実に澄みきった気持ちのよい低音が重々しく室内を劇場空間にしてしまうくらいだ。当然ながらスピーカーの下には付属品のスパイク形の尖ったインシュレーターがボルトネジで4箇所支えてある。それらの尖ったスパイクを付けたスピーカーは、天然のフズリナ化石の大理石に刺さるように乗っている。

そして、大理石の下には堅牢で重たい合板があり、その下にはコンクリート部屋の床となる垂木のようなものに別のインシュレーターが5本ほど差してあり、合板が動かぬように安定させているわけだけれども、この高さが182cmもある縦長のスピーカーを縦軸にふらつかせないための工夫と施工が、魅力ある澄みきった低域を生んでいることは確かであろう。当時の試行錯誤にはずいぶん歳月を要して手こずらされたように思う。それと何といっても7Nのスピーカーケーブルが物を言っている。純銅の6Nと7Nとでは、ずいぶん音が違うのである。これも実験済みだ。そして最後に30年ちかい機器間放置のエージングだろう。スピーカーの電源ケーブルは部屋の壁コンセントに直接2本とも常時ダイレクトに差し込んであり、スピーカーケーブルを走る電子の流れが大層なめらかになって来たことだ。いい音を求めて来た執念が、いつの間にか自然と実を結んでいたのだろうと、ひとりよがりな自負もしている。

結論。映画も音楽もスピーカー次第だ !!
「ほざくな!」と、誰かから遠くで言われているような気もするが、いい音の出口はスピーカーなのだ。
マーティン・ローガンに触れて来た日本の各音楽誌の画像を記念に公開しておく。今年2020年8月号の月刊誌「MJ 無線と実験」の表紙を飾ったのは、マーティン・ローガンの静電型スピーカーシステム「EM-ESL-X」だった。
とても嬉しかったので購入しておいた。

文・古川卓也



(2020/08/18)
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制作・著作 フルカワエレクトロン