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追想  その2

家庭教師ヒットマンREBORN ! ~ 六道骸
第五人格 ~ 納棺師(イソップ・カール)


文・撮影 古川卓也

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家庭教師ヒットマンREBORN !

もちろんこのマンガのことは何も知らない。21世紀型の日本マンガは、21世紀に10代か20代を生きている若者たちがよむ世界観なのだろうから、昭和に子供時代を過ごしたわたしなどには、ほぼ、ついてゆけない世界ではある。ただ、若いレイヤーさんたちがとても親切にいろんなことを教えてくれるので、それが何より楽しい。

たとえば、上の画像はマンガ『家庭教師ヒットマンREBORN !』に登場する六道骸(ろくどうむくろ)なる変てこりんな名前の人物のコスプレイヤーであるが、彼が「ボクの右眼には六という漢字が書いてあるんですけど、このコンタクト、ちょっと傾いてズレたりすると、六には読めませんよね」と言ったので、わたしは驚いて、あらためて彼の右眼を覗き込んだ。
「うん? 確かに何か文字のようなものが書いてあるんですかねえ」とわたしも言った。
なるほど、一見よくある茶色のカラコンかと思って、ごく普通に撮影していたのだが、近寄って注意深く覗き込むと、確かに、このカラコンは変だった。
「これで右眼は見えているんですか?」とわたしが訊くと、
「見えませんよ」と彼は言った。
「見えないんですか。片目だけだと、不便でしょ?」とわたしが言うと、
「ボク、六道骸なんで」と微笑んだ。そして、
「アニメだとこの右眼、数字がいろいろ変わるんですよ」と彼。
「えっ? 数字が変わるの?」とわたし。
「六道ですから、漢字の数字コンタクトが一から六まであるんですよ」と彼は言った。
この時点では彼が何を言っていたのか、さっぱり判らなかったが、後日、このマンガをネットで調べたら仏教の六道を指していたことがわかった。これはなかなか高尚なマンガであることも判った。

つまり、目ん玉が「一」になると地獄となり、「二」になると餓鬼、「三」になると畜生、「四」になれば修羅、「五」になれば人間、「六」になると天となる、ということらしい。ただし、ここはマンガなので、あくまで六道骸はそのような武器または能力を持っており、修行で実践習得したスキルで以って戦いの相手に挑むらしいのだが、右眼の数字が変われば、その能力も数字に合わせて変わるとのことだ。わたしはふっと幼かった頃に家で飼ってたニワトリの眼を思い出した。ニワトリの眼はパッチリ見開いた眼で、まばたきもせずに餌を食べる。その仕草は常に警戒を怠らない禽獣の証しのようだった。それはさておき、三又槍を持ってアニメの世界から現われた六道骸のコスプレは、意外にも今になってみれば印象深いレイヤーさんだったことがよくわかる。




昨年2019年12月に山口県政資料館で撮って来た『賭ケグルイ』以外のコスプレイヤーたちの画像を、ここでいくつか紹介してみたい。下の画像をクリックすると拡大画像になります。


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山口県政資料館



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第五人格


その日、どこか凍り付くような視線を感じた。声をかけようとすると、視線を逸らされ、存在を無視してほしいと言わんばかりに、そっぽを向かれてしまった。しかし、その姿は一度見ると強烈なコスプレ衣装で、何かまるで有刺鉄線にでも触れるかのような刺々しい空気感が漂っていた。赤いマスクに張りついた、むき出しの釘のような突起物が、敵意を表わしているようだった。「近付くな」とでも言われているような気がした。それでも私はなりふり構わず、スタイリッシュな彼女に声をかけた。
「撮影させてもらってもいいですか?」と訊くと、
「あ、はい」と、仕方ない、撮らせてやるか、とでも言いたげな、笑みのないクールな表情で応じてくれた。本当は私が勝手にそう思い込んでいるだけで、彼女の心意は全くつかめていなかった。このコスプレ衣装に入ると、当人もそのキャラクターに同化しているのかもしれない。おそらくこの日一日は、『第五人格』のイソップ・カールだったのだろう。イソップ・カールという役柄は、調べてみると、実におぞましい生い立ちのキャラクターだった。

ウィキペディアによると、イソップ・カールは、「幼少期に両親をなくしジェイ・カールという納棺師に預けられる。しかし彼は人を生きたまま納棺するシリアルキラーだった。そんな彼のもとに荘園への招待状が届き参加するが、重症を負って帰ってくる。イソップは彼に教わったとおりの手順で彼を生きたまま埋葬する。後日死化粧を行った刺殺体の女性のポケットから義父に送られてきたものと同じ招待状を発見し、あとを追い参加。」との説明がなされている。なぜ、こんな若い美女がこんなキャラに惹かれてコスプレをするのか、私には今でもよくわからない。まるで恐ろしいアニメゲームの中から、そのまま目の前に登場して来たかのような存在に思えた。

こういうキャラはどうやって撮影すればいいのか、まったく未知数の領域だった。と同時に、どうすれば、いい写真になるのだろうとあれこれ悩んでいるうちに、知らぬ間に撮影しながらどんどん場所を変えて彼女を連れまわしている自分の無我夢中さにも呆れたわけだが、二階から一階に降りる狭い急勾配の階段のところで、あと二三段で一階に着くあたりで彼女が転んでしまい、ドタドタバタンという音がした時には、思わずびっくりした。木製の手摺はあったのだが、私は後ろを振り向いて彼女の腕を掴み助け起こすと、「大丈夫ですか?」と訊いた。「はい。大丈夫です」と応えたので私はホッとした。あちこち連れまわしている自分が悪いのである。彼女はヒールの高いブーツを履いていたので、捻挫までには至らなかったとはいえ、ケガがなくて本当によかった。ケガでもさせたら大ごとである。撮影どころではなかっただろう。その後も一階の旧県会議事堂をいろいろ歩いてもらい、足も大丈夫そうだったので、引き続きいろいろポーズをしてもらい撮影させてもらった。狭い急勾配階段の手摺は一階に着くまでは放さないほうがよさそうである。二階では納棺師の役柄やカバンなどの小道具についてもいろいろ説明してもらった。顔の眉のおそろしげな剃り込みも、後になって画像確認すると、やっぱりどこか迫力に満ちていた。生きたまま埋葬する納棺師って、こんな役柄はやっぱり異常なアニメキャラで、そのままで十分美しい彼女には勿体ない気がするんだけどなあ・・・。


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予告
次のコスプレイヤーも引き続き山口県政資料館(2019年12月撮影)での『第五人格』から「追想その3」をアップ予定です。ノートン・キャンベルは、「ある落盤事故から奇跡的に生還された元炭鉱者。落盤事故のさなかに手に入れた隕石磁石をもとに、地質探鉱者へと転職した」(ウィキペディア)という人物らしくて、こちらも大変印象深いレイヤーさんでした。勇気の要るメイキングで、衣装や小道具についても細かく親切丁寧に説明してくれました。山口県政資料館(旧県会議事堂側)の建物二階西側の部屋で撮影。緞帳風のカーテンが左右に開けられており、日差しも良くて室内は割と明るかったのですが、キャラクターのイメージからカメラ側のISO感度を上げずにあえて100で取り込んでみました。窓越しでの暗めの不気味な表現は案外と難しく、かえって撮り甲斐もあったような。あの日から半年が過ぎて、いい思い出の画像として残るようなページを今後も制作予定です。






制作・著作 フルカワエレクトロン

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