六月十二日 グラウンド |
太P戦――…それは、太陽学園・パシフィックHS対抗戦の略で、八日もの間両校の生徒たちが己の技を競い合うという大イベント。そして今日はその最終日。去年に引き続き今年もかなりの激戦で、今日の競技の結果が勝者を決めるという状況だわ。両校の生徒たちの興奮が、頂点に達してるのは見た目にも明らかよね。 隼人「いいか! お前ら! 泣いても笑っても今日が最終日だ! 勝負は今日の競技で決まる! 尾崎、俺の言いたい事がわかるか!?」 私「え、えーと…わかりません!」 ドゴンッ 隼人「ばかものぉぉ! いいか! 今日が最後だって事は、つまり「明日はねぇ」って事だ! わかるか? お前の骨を俺が拾ってやる! さぁ安心して戦ってこい!!」 私「はい! ありがとうございます!」 バツ「尾崎、パシフィックの連中にほえ面かかせてやろうぜ!」 ひなた「そうだよ! やるからには勝たなくちゃ!!」 恭介「大丈夫、僕らが力を合わせれば勝てるさ」 私「勿論、負けるつもりはないよ!」 バツ「勝負は尾崎の出る種目にかかってるんだからな。頼むぜ!」 ひなた「あれ? そういえば亜美ちゃんって何に出場するんだっけ?」 私「バレーサービス合戦に出るわ」 ひなた「そっか、頑張ってね! 亜美ちゃんならきっと大丈夫だよ。私、信じてるから?」 恭介「亜美さん、ピンチの時こそ冷静にな。ともかく頑張ってくれ」 私「ありがと。じゃあ、いってくるね」 私「(もう少しで始まるわね…。…? 目の前にいる人…誰かに似ている気が…誰なんだろう、この人)」 男「尾崎、貴様の実力見せてもらうぞ」 私「な、なんなの? 私の実力!?」 [ 体育館 ] バレーサービス合戦は、バレーボールをサーブして、コートに接地された点数に当ててその合計点を競う競技で、筋肉番付でやっているアレに近い。私がこの競技を選んだのは、得意というのではなく、他の野球・サッカーは全くの素人だから、消去法よりバレーとなったのだ。即ち自信はなし。そこで見たくない人影を見つけてしまった。 「ロイ!? 貴方これに出るの!?」 「オザキ! 君も出るのか?」 ロイはパシフィックの生徒で、フットボール部に所属するアメリカンだ。 「なんでロイが出てくるわけ?!」 「ハハ、まぁ、ね。ティファニーが出るはずだったんだけど、どうしても僕の勇姿を見たいっていうから…」 「へぇ…相変わらずねぇ」 ティファニーというのは、ロイの友人のボーマン曰く「友人以上恋人未満て仲ですよ」の彼女らしい。彼女の方はロイを追って日本に来たとか… 「か、勘違いしないでくれよオザキ!」 「ナニがカンチガイですか―?」 「わっティファニー!!」 ロイの後に突如チアリーディングの服を来たティファニーが現れた。 「オゥ! オザキ! ユーはミーのオトモダチですが、今日はベツで〜す!」 「ティ、ティファニー、チアリーダーの君が抜け出してきてどうする!?」 「ロイったら! オチャメサマですネェ! ミーはロイのために―――」 と、まぁ見事競技が始まるまで、私はあてられてしまった。 ロイはティファニーの応援に戸惑っていた様だけど、結局ロイが最高得点をあげ、私は力一杯頑張ったものの太P戦は十年ぶりに引き分けに終わった。 [ グラウンド ] 男「尾崎。貴様の実力見せてもらった」 私「あ、あなたはさっきの――」 男「私は忌野雹。この学園の生徒会長をしている。恭介の報告通りだ。だが、私の右腕になるにはまだまだ力不足の様だな。またいずれ会う事になるだろう。では、さらばだ…」 バツ「おーい、尾崎。こっちだこっち」 ひなた「お疲れ様。引き分けになっちゃったけど、みんな頑張ったよね!」 私「うん、みんなもおつかれさま」 恭介「今年は怪我人もいなかった様だ.バツの乱闘もなかった様だし、風紀委員としては嬉しい限りだよ」 バツ「ちぇっ! それじゃオレがいつも乱闘してるみたいじゃねぇか」 恭介「違うのか?」 ひなた「あはははははは! うん、してるしてる。バツって気が付くと乱闘してるもんね」 ――こうして、太P戦は無事終了した。 |
八月十四日 自宅 |
今日は夏のお楽しみ、臨海合宿。さて、準備もできたことだし、そろそろ出発しようかナ。 [ ホテル前 ]
――遠泳――
ハァハァ…さ、さすがに沖ノ島まで泳いで往復するのはしんどいよぉ〜。これが楽しみで隼人先生あんなに張り切ってたのか―…な、納得。でも確か午後からは自由行動のはず…。私は誰と遊ぼうかなぁ…。 「スイカなんて久しぶりだな…。子供の頃兄さんとよく食べたけど、一人暮らしだとなかなか、ね…」 |
九月二六日 校門 |
今日は学園祭。色々と準備を手伝わされたりもしたけど、正直楽しみね。 隼人「おう尾崎!どうだ、やってるか?」 私「…やってません」 隼人「ふ、そうか…まぁ若いうちには色々あるもんだ。せいぜい頑張りな」 私(…い、今のは一体なんだっただろ…ま、まぁ、隼人先生だし。気を取りなおして、さっそく中に入ろっと)
[ 校庭 ]
[ 渡り廊下 ]
[ 2F廊下 ]
[ 肝試し会場 ]
[ 2F廊下 ] |
十月二四日 パーティ会場 |
ロイから招待状をもらってやってきたクリスマスパーティ。テーブルには豪華な料理が並んでBGMにはバンド演奏のクリスマスソング。何て言うか凄く場違いな感じすらしちゃうわ。ところで私の他には誰か招待されて――
ロイ「メリークリスマス!」
あきら「あっ貴方も招待されてたの?全然気がつかなかったわ」
ロベルト「よう、亜美さん。メリークリスマス!」
響子「メリークリスマス、尾崎さん」
ラン「ほら、亜美っこっち向いて」
私「あっ流先輩じゃないですか!クリスマスパーティ楽しんでます?」
雹「尾崎、どうした? やけにそわそわしているようだが…」
ふぅ…ちょっと人が多くて疲れちゃった。中庭に大きなツリーがあるらしいし、ちょっといって見ようかな… |
二月一四日 自宅 |
今日はバレンタインデー…ついにこの日が来たわ。あらゆる意味で、勝負の日よね。もちろん私も本命のあの人にチョコレートを渡すわ! もちろん手作りで!…て、私一体誰が本命なのかしら…? 作者とページ数の関係でゲームレポートもとびとびだし、作者の好みだと恭介なんだろうけど…
そだ、ひなにあげてみよっその方が面白いわよね。
[ 住宅街 ] [ 翌日 通学路 ] [ 教室 ] [ 休み時間 ] ――ハッ、と起きあがると私の部屋だった…。あ、はは…夢、ね…。隣にひなが眠っててビックリした。…そういえば、徹夜でいっしょにチョコレート作ったんだっけ。そうそうあの人のために…。 |
三月二四日 体育館 |
長かった一年もおわり、今日は終業式。この学園に入学してから、もう一年になる。時間が過ぎるのって、本当にあっという間なんだな。思い出せばこの一年、本当に色んな事があったっけ…。
壇上の学園長『…明日から春休みになるわけだが、けして休みボケすることのないように、各自、自己管理を心がけて…』 私「(…終業式さえ終わってしまえば春休み。そう考えると、いつもの学園長の長いスピーチもちっともつらくないな)」 [ 正門前 ]
[ 三日後 教室 ] ―――ぁあああ…
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いかがでしたか? これはジャス学を知らない人向けに書いたので、ご存知の方にはウザかったかもしれませんね(-_-;) |
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