薬品副作用死が死因の第4位  (中日新聞 1998年4月15日)
  米国年間死亡者10万6000人(ワシントン14日共同)
     正しく処方された医薬品の副作用による死者は米国全体で年間10万6000人に上がり、心臓病、がん、脳卒中
     に次いで死因の第4位を占めているとの推計をカナダ・トロント大の研究者らがまとめ15日発売の米医師会雑誌
     に発表した。
     推計には過剰投与などのミスは除かれており、取りまとめた研究者らは「副作用は一般に考えられているより
     はるかに多いことがわかった。深刻な問題だ」と指摘している。
     推計をまとめた同大のブルース・ポメランズ博士らは、1960年代から現在までに発表された副作用被害に関する
     多数の調査を分析。
     それぞれの調査が対象とした地域や医療施設の、入院患者に占める副作用被害の割合を算出し、全米の
     被害者数を算出した。
     この際、投薬ミスや過剰投与、分量の間違いによる被害は除外、適正な使用の結果起きた副作用に絞って算出。
     入院患者の中で何らかの副作用被害を受けたり、副作用で入院する人の割合は毎年約15%にも上り、死亡する
     患者も約0.3%いることが判明した。
     この割合を全米の入院患者数に当てはめると、94年の場合10万6000人 が薬品副作用で死亡したとの推計値
     になり、心臓病の74万3000人、がんの53万人、脳卒中の15万人に次いだ。
     誤差の範囲で死者を低く見積もっても7万6000人になり、肺疾患、不慮の事故に次ぐ第6位と上位を占めることが
     分かった。

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