風邪薬や抗生物質 皮膚ただれ副作用 (読売新聞 2004年7月30日)
発症1064件、死亡106件 2年7ヶ月厚労省まとめ
風邪薬や抗生物質の服用後、全身の皮膚や目がやけどのようにただれる「スティーブンス・ジョンソン症候群」
を発症した例が、昨年秋までの2年7ヶ月間で1064件に上ったことが29日、厚生労働省のまとめで分かった。
このうち、市販の風邪薬や解熱剤が原因と見られるケースは58件あった。
死亡につながった例も106件に上り、厚労省は医療関係者や患者に注意を呼びかけている。
同症候群は、薬の副作用が原因と見られているが、発症の仕組みはよく分かっていない。
厚労省によると、2001年4月から2003年10月までの間に「副作用報告」として製薬会社や医療機関など
から寄せられた1064件のうち、702件で症状が軽くなったり回復したりしたが62件で後遺症が残った。
厚労省では1997〜2000年の3年間にも同様の調査を実施。この時は同症候群の報告例は約900件、
死亡例は81件で、今回は共に増えている。
風邪薬や解熱剤のほか、抗てんかん薬や痛風治療薬でも発症が報告されており、厚労省の安全対策課では
「もし高熱を伴う発疹などが起きたらすぐに投与を中止し、皮膚科の専門医に診てもらう必要がある」と話している。