ビタミンEと心臓病   (NHK  きょうの健康より)
  動脈硬化や心臓病がビタミンEで予防できた
     実際にビタミンEを摂取することで動脈硬化や心臓病を防ぐことができるのでしょうか。
     ビアミンE東京フォーラムでの研究結果を紹介しましょう。
     ミシシッピー大学のヴァーレンギエリー教授はサルを3年間飼育し続けることで、動脈硬化予防に対するビタミンE
     の効果を調べました。
     サルは4グループに分けられ @コレステロールを多量に含む動脈硬化食 A動脈硬化食とビタミンE
            B動脈硬化食と2年目からビタミンE C正常食 が与えられました。

     結果、動脈硬化による血管の詰まり具合は、ビタミンEを摂取したグループのほうが低く抑えられています。

     また、2年目からビタミンEを与えたグループでは、一旦できた動脈硬化が改善されることも分かりました。
     ビタミンEは動脈硬化の予防だけでなく、その改善にも効果があるのです。
     ハーバード大学のスタンファー教授は、87,000人余りの女性(試験開始時に34〜58歳)を8年間にわたって
     追跡調査し、ビタミンEの摂取量と心臓病の発生率との関係を調べています。
     それによると、ビタミンEを多く摂るグループほど心臓病の危険度は低くなることがわかりました。
     ビタミンE剤を服用していない人や総合ビタミン剤(ビタミンE30mg以下)では心臓病の危険度は下がらないの
     ですが、ビタミンE剤(ビタミンE100mg以上)を服用している人の心臓病危険度は低くなっています。
     つまり、ビタミンEを一日100mg以上摂取することで、心臓病の危険度はほぼ半減するのです。
   食事からだけでは十分に摂れない
     スタンファー教授の研究でも明らかなように、動脈硬化や心臓病の予防効果を期待するには一日100mg以上
     のビタミンEが必要です。
     治療目的となれば、さらに多く摂る必要があり、その目安となるのは300mg以上といわれます。
     こういった量のビタミンEはどんなに頑張っても食事からでは摂りきれません。
     日本人の平均摂取量は一日5〜7mg程度と推定されている。 かぼちゃ4cm角2個でビタミンEの含有量は
     4.6mg、ほうれんそう1/4わで1.3mg、トマト1個で1.1mg。
     どうしてもビタミンE製剤に頼らざるを得ないのです。ビタミン製剤を服用するとなると、摂りすぎの害を心配する
     人もいますが、ビタミンEは 「所要量の100倍摂取しても安全」 といわれる程安全性の高いビタミンです。
     100〜300mg程度で過剰症がでるとは考えられません。
     ただ、ビタミンEにはいろいろな種類がありますので内容の確かなビタミンEを選ぶことが大切です。

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