果物 食べ過ぎないで 肥満の大敵
  皮下脂肪になり易いのは砂糖よりも果糖
     ダイエットのためには、果物の食べ過ぎにご注意。
     果物の甘みの成分、果糖は砂糖よりはるかに皮下脂肪になり安く、肥満の大敵であることが、兵庫県立成人病
     センターの鹿住敏・内科医長と、神戸大医学部第二内科の研究グループによって解明され、神戸・ポートアイランド
     で開かれた第7回日本肥満学会で発表された。
     太った人と中肉の人が同じ量の果物を食べた場合、太った人の方がより脂肪がつき易いことも明らかにしており
     ダイエットに熱心な果物好きの人達には何ともしゃくな話。
     糖尿病の治療研究を続けている鹿住内科医長らは、肝臓で作られ体の各部位に運ばれて皮下脂肪になる中性
     脂肪が、肥満症の糖尿病患者の血液中に多いことに着目。
     約80匹のラットを、普通の水・同量のブドウ糖水・砂糖水・果糖水、それとインシュリンを注射しインシュリン過多
     状態(肥満症の人や糖尿病患者に多い)に似せてた上で、ブドウ糖水・砂糖水・果糖水を飲ませる7グ−プに分け
     て2週間後にそれぞれの血液中の中性脂肪を比べた。
     その結果、血液1㎗中、果糖水…102mg、砂糖水…61mg、ブドウ糖水…54mg、普通の水…50mgと圧倒的
     に果糖水が多かった。
     またラットの肝臓で作られた中性脂肪は1分あたり、インシュリン+果糖水…0.86mg、同+砂糖水…0.74mg、
     同+ブドウ糖…0.50mgと同じ結果。
     特に、インシュリン+果糖水ラットは中性脂肪の生産力が高いのに血液中の量は57mgと少なく、これは中性脂肪
     から皮下脂肪への変化の早いことを示し、太った人は果物摂取で更に急ピッチで太ることを裏付けた。
     鹿住内科医長は「果物は砂糖より安全との考え方は改めた方がいい。特に肥満、糖尿病の人は要注意!」と話す。

目次にもどる