カゼ 特性と患者の体質によって決まる、ということである。1981年の報告で博士は “100グラムを要するカゼ
”を 24時間に4〜15グラムだが、同じ人がウイルス性疾患にかかった時は、はるかに増えて、24時間に100g
カゼを引いた最初の兆候を感じたら、ただちに、ビタミンCの摂取量を治療レベルにまで増やさなければならない。
私自身の経験からすると、1日中、1〜2グラムのビタミンCを1時間ごとに摂るのがよい。カゼの症状はふつう、
すぐ抑えられる。更に何日間かビタミンCを治療レベル量摂り続ければカゼは治ってしまう。この方法で不快な
ことがあるとすれば下痢をすることがあるくらいである。カゼやその他の病気にかかると、身体をその間つづけて
痛めつけるので、平均寿命が短くなる、と信じる。私がこの本で強調している健康法は、寿命(特に健康な期間)
を延ばして、真に人生を享受する為のものであり、この健康法に従えばその結果の一部として老化が遅くなる
のである。ビタミンCとカゼについての研究は、ビタミンCの構造式が決定された2〜3年後にすでに始まっている。
ドイツのオベルハウゼン、セント・エリザベス病院のロジャー・コルブシュ博士が1938年に発表した報告がある。
それによると胃炎、胃潰瘍などの疾病にビタミンCが有効であったという他の研究者の報告を読んで、急性鼻炎
とカゼの治療にビタミンCを試み始めた、とある。それは1936年のことであったが、鼻漏、急性鼻炎、二次的な
鼻炎、それらに随伴して現れる頭痛などの症状に対して、1日1グラムまでの経口投与が有効であることを見出
した。次いで、カゼにかかった1日目に250〜500ミリグラムのビタミンCを注射すると-
ときには2日目の注射
を必要とする例もあったが -
カゼの諸症状はたちどころに消え去ることを観察した。そして、ビタミンCはどのカゼ
薬よりもはるかに有効で、大量でもひどい副作用はみられず危険性がない、と述べている。
ダグラス・ギルダースリーブ医博は『ファクト』誌の1967年7・8月合併号の「医学界はなぜカゼを軽視するのか」
の中で、次のように述べている。 「初期の研究者が用いた量 (1日
200ミリグラム)の20〜25倍のビタミンC
を用いて、カゼの症状を抑えることができた。研究は、25人の400例以上のカゼについて行なったが、ビタミンC
の大量投与は95%の患者で有効であった。また、カゼの症状でしばしば見られる鼻水過多はビタミンCの使用
で完全に消失し、くしゃみ、咳、喉の痛み、しゃがれ声、頭痛といった症状も、たとえあった場合でもほとんど目
立たなくなった。さらに被験者は1人として細菌二次感染を併発しなかった。」
ロバート ・F・
カスカート博士は、カゼをひいた多数の患者にビタミンCを与え続けて、豊かな経験をもっている。
何千という患者を観察して博士が得た結論は、ウイルス性疾患を抑えるのに必要なビタミンCの量は、疾患の
2〜3グラムのビタミンCで治すのは無理だ、と述べている。カスカートによれば、ウイルス感染症を抑えるのに
必要なビタミンCの適正摂取量は、下痢 や水様便が起きる直前の量である -
ビタミンCの摂取量を増やして
いって緩下(かんげ)作用が現れる量であるという。カスカートのいう腸の耐容量は“普通の健康状態 ”の人で
以上にまでなる。私は誰でもカゼを防げる、と信じている。カゼを引いてそれが止められないのは、十分なビタ
ミンCを摂っていない証拠である。これまでの研究結果から私が確信しているのは鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、
およびその他のカゼ薬よりビタミンCの方が好ましい、ということである。毎日、いや毎時間、ラジオやテレビの
コマーシャルは、いろいろなカゼ薬を推奨している。ビタミンCの研究が進展して米国公衆衛生局、米国対ガン
協会、心臓協会、その他の機関が喫煙の害をキャンペーンしているように、ビタミンCとカゼについての幅広い
啓蒙活動が、ラジオやテレビを通じて行なわれ、危険性のある薬剤の使用に警告が発せられるようになること
を期待するものである。