ガンとビタミンA  (週刊健康産業新聞より)
  増量摂取はガンを防ぐ
     ビタミンA、C、Eなどにもそれぞれガンの発生を抑える働きがあることが明らかになってきている。
     ビタミンAは活性酸素、遊離ラジカルを捕まえ無害化する。
     ビタミンCはニトロソアミンの生成を阻害、抗酸化、免疫強化などの効果がある。
     ビタミンEは抗酸化作用により、変異原作用を抑える働きが明らかとなっている。
     つまり、これらの栄養素の増量はガンを予防することになる。ビタミンAの増量摂取でもガンの予防に有効な
     ことが明らかになっている。
     ガンに対するビタミンA、βーカロチンの効果の研究は現在までに世界で20に及ぶ研究の報告がなされている。
     これらをまとめると、ビタミンA、βーカロチンにより30%〜40%ガンの危険率が低減することが分かっている。
     ビタミンAは細胞の正常な分化をコントロールしているが、ガンが発生する場合はこのメカニズムが正しく働かず
     未分化なガン細胞が発生することになる。
     つまり、ビタミンAが不足することはガン細胞の発生に結びつくことになる。裏返して言えばビタミンAを一定量
     摂取していれば、ガンの発生を遅くすることができる。
     また、ビタミンAは免疫力の強化にも有効に働く。
     これらのことはいくつかの疫学調査においても明らかにされており、ビタミンAを摂取していない住民のガンの
     発生率が高いことが明らかとなっている。
     クーメットとメイスケンスは1983年の評論の中で、ビタミンAはほとんどのタイプのガンの予防に効果があると
     述べているが、その一方RDA(米国の栄養基準)の定める量では不足で「かなり多い摂取量が有用」としている。
     野菜などの植物性食品ではビタミンAの前躯体であるβーカロチンが含まれ、動物性食品ではビタミンAが含
     まれているが、これはともに抗がん作用があるといわれている。
     それではガン予防のためにどの程度のビタミンAの摂取を行えばいいのだろうか。
     1986年のワトソンとレオナードの評論によると、控えめの推奨量ながらビタミンAは1日12,500IUとしている。
     (ビタミンAについては過剰摂取の問題がいわれるが一日30万IUが安全限界量といわれている。)

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