2006.3.19.  保護のため?


本当に保護のための調査なの?


 (これは前回に出てきたコゲラ---キツツキの仲間)

前回の続きです。

そして、この論文に出ていたノグチゲラのこと(下記に引用)を調べてみて、驚きは疑問へ、そして怒りへと変わっていったのです。

しかし,こうした研究方法に対する危険性の過大評価や不信感は,一般市民や一部の研究者においてまだみうけられる.例えば,著者らは数年来,ノグチゲラ個体群を保護するために足環標識調査による基礎資料の収集を提唱しているが(石田 1989 ),足環装着の危険性(が期待される調査成果を上回るという評価)を理由にした一部の反対があり,実現にいたっていない.

 

ノグチゲラとは、体長約31cmのキツツキの仲間で、沖縄島北部の「やんばる」地域にだけ生息する絶滅が心配される特別天然記念物です。ホームページには次のようにあります。

環境省では、1999年3月から沖縄島北部の国頭村内の2地域において、合計115個体のノグチゲラに個体識別用の足環(あしわ)を装着しました。現在、足環を装着している個体の追跡調査によって詳細な生態データが蓄積されつつあります。

今年は2006年です。つまり足環を着ける調査が実施されてからまる7年。「これまで不明だった生態が次第に明らかにされているといいつつ、絶滅の危機に瀕しているノグチゲラには何の対策もなされていません(佐藤氏のwebサイト09.30「ノグチゲラの嘆き」をリンクします)。標識調査とは、本当に野鳥の保護のためなのでしょうか。それどころか、保護や保全のブレーキになっているケースがあるのではないでしょうか??

 

鳥類標識調査検討委員の一人は和田氏の質問に対し次のように答えました

●野鳥保護や環境保護に生かされたことは一度もない。

●集めたデータが学術論文になったことも一度もない。

野鳥の保護にも役立ったことはないそうです。また、学術研究としても「?」なのです。四十数年続けられていて、一体なんなのでしょうか。

 

---この疑問は2005年9月のことでした。